「だから何であの下着なのロヴィーノ君んんんん!?もうギリギリすぎて大変だったんだからね!!」

「お、お前に似合うと思って買ってきたんだぞちくしょー…グズッ」

「ああもう泣かないでよ!!確かに可愛いデザインだったけどね?私にはちょっと派手すぎると言うか…」

「じゃあ今度はピンクにする」

「いや、色の問題じゃなくて…」


ロヴィーノ君に呼び出され、仕事帰りにカフェに立ち寄った。
例のお土産の下着についてきつく文句を言ってやると目に涙を溜めて俯くロヴィーノ君を見て大きく溜息が毀れた。


「ごめんね、ちょっと言い過ぎた。お土産ありがとね?フェリシアーノ君にもお礼言っておいて」

「ぐすっ…ちゃんと着ろよちくしょー…」

「え、あ、うん。着る着る」


着ないけどね。着れないけどね。


「おい名前。今度お前のうち遊びに行ってもいいだろ?」

「いいよ。うちに変なの居るけどそれでも大丈夫なら」

「そういえばそんな事言ってたよな…。おお、男、だっけ?」

「まぁ性別は男だね」

「か、彼氏じゃねーんだよな?」

「当たり前じゃん。彼氏なら一緒に暮らしてないよ」

「そうか…。だったら行く」

「うん。何時でも遊びにおいでー」


嬉しそうに笑ったロヴィーノ君は熱々のコーヒーを一気飲みして舌を火傷していた。
ああもう、この子は…。



―――


「あー、良い汗かいたなぁ〜」

「なぁ、ビール飲んでもいいか?」

「いいよー。私も飲んじゃおうかな」

「ほらよ。飲みすぎんじゃねーぞ」

「はーい」


食後のジョギングを終えてお風呂に入ると体中の水分が抜けてしうような気分になった。
こういう時って炭酸系が飲みたくなるんだよねー…
あー、瓶のラムネとか飲みたいなぁ。
この辺り売ってないんだよねぇ、あれ


「そういやお前、そのスポーツ大会とか言うの何時やるんだよ」

「来週の金曜だから…24日かな。ギルも見に来る?」

「行けんのかよ」

「大丈夫だよ。一般のお客さんも暇つぶしに見に来てる人居るし」

「本田でも誘って行くかな…」

「日射病にならないようにちゃんと帽子被ってくるんだよー」

「おう」


ギルの濡れた髪にぱたぱたとピヨちゃんが降り立った。
濡れていたのが気持ち悪かったのか、すぐに私の肩へ飛び降りる。


「ちょっ、首くすぐったいってピヨちゃん…!!」

「んだよ、お前首弱いのか?」

「うぎゃぁああ!!ピヨちゃん羽ばさばさしないで!!ちょっ、ギルピヨちゃん退かして!!ひゃっ…!!」

「いや、これはこれで見てるの楽しいし…」

「いいから早くやれぇえええ!!」


ああもう、ピヨちゃんには私の肩に乗らないように躾けないとダメだなぁ…。
ピヨちゃんが居なくなってもまだくすぐったい首元をぎゅっと触っていると、徐にギルの手が伸びてきて私の首筋に止まった。
え、何しようとして…


「うひゃぁあっ!!」

「…おお!!」

「ちょっ、何すんのぉおお!!気持ち悪っ!!うわぁああ全身に鳥肌立った!!」


ギルの人差し指が私のうなじ辺りをなぞり上げた。
うわぁああ、気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!!


「何しやがんでいテメェエエ!!!」

「うわ、今の声初めて聞いた…。うひゃぁあってお前…」

「煩い!!もう最悪。今度触ったらマジで外に放り出すからな!!」


によによと頬を吊り上げるギルが妙にむかついて仕方がない。
ちくしょう、絶対こいつまたやるつもりだな…

これからは気をつけておかないと…



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