「大変大変!!ハンバーグ焦げる…って…あれ?」

「これでいいの?」

「アイス君…。ハンバーグちゃんと引っくり返してくれたの?」

「2分たったから…ダメだった?」

「ダメじゃないよ!!ありがとうアイス君…!!」

「うん。良かった」


ぐうう…!!か、可愛いなぁアイス君…!!
その衝動を抑えきれずにアイス君の体を抱きしめるとそっと背中に手を回してくれた。
うわあああ…!!本当にこの子私の弟になってくれないかなぁ…!!可愛いよぉおお!!


「「何やってんだアホォオオオ!!!」」

「うわっ、ハモってるよこの不憫ズ…!!キモッ」

「キモくねーし!!てか何アイス抱きしめてんだよ離れろバカ!!」

「いいじゃん。ねーアイス君」

「うん」

「アイス、そいつから離れろ!!若さ吸い取られるぞ!!」

「なんの妖怪だよ私は。って、アーサーさっきから何ブツブツ言ってんの…!?気持ち悪いんだけど…」

「うわっ!!こいつなんか呪文唱えてるぜ!!」

「うわぁああ!!気持ち悪い!!あの眉毛には近づいちゃダメだよアイス君」

「うん」

「気持ち悪いって言うなバカぁあ!!お前が、お前がそういう事するから…!!」

「だってアイス君が可愛いんだよ!!見てよこの子、可愛すぎる…!!」

「お前キャラおかしい!!本田が乗り移ってる!!」

「文化祭の時も本田さんが光臨してたんだよねー私…。ダメだなぁ、あの人って周りの人間に影響与えやすいから気をつけなくちゃいけないのに…」

「俺はもう手遅れだぜ!!」

「威張って言うなよ」


多少の口喧嘩や呪いの呪文を交えながらも楽しい食卓を囲めてアイス君も嬉しそうに微笑んでいた。
コンビニまで歯ブラシを買いに行こうとしていると、夜道は危ないからとアーサーが一緒についてきてくれた。
なんだか悪いなぁ…。
お礼に何か買ってあげようと思って色々籠の中に詰め込んでレジに行ったのに、精算まで半分強引にアーサーに払われてしまった。
お金を返そうとすると「男が女性にお金もらうなんてできるわけ無いだろ。いいから黙って払わせておけば良いんだよ、お前は」と言われてしまった。
ちくしょう、かっこいいじゃないかアーサー。
流石は紳士だなぁ。いつもは紳士の前に”エロ眉毛”が付くけど、今日のアーサーはどこからどう見ても英国紳士だった。
ギルも少しはアーサーを見習って紳士らしく優しく…って、ギルには無理か…。


「それじゃあアイス君は私のベッド使っていいからね」

「いいの?」

「いいのいいの。私はソファーで寝るから!!ソファーって言ってもベッドにもなるし結構快適なんだよ〜」

「…わかった。おやすみ」

「うん。おやすみ」


ギルの為に買った新品の赤地にネコさんのTシャツを着たアイス君はそっと私の頬にキスをしてベッドに入っていった。

うわぁ、不意打ちだ…。文化祭の時の事がフラッシュバックしたよ、今…


「ったくまた俺が床かよ…。って、何でお前顔赤いんだ?」

「べべべべっつにー!!それじゃあ私たちも寝ちゃいましょうか」

「前みたいに添い寝してくんじゃねーぞ」

「しませんよーだ。ギルこそ間違えてこっち来んじゃねーぞ〜」

「だだだ誰が行くかよ!!」

「あれー、前に私がソファーで寝てたら”いつもの癖で間違えた…”とか言って添い寝してたの誰だっけー?」

「もうしねーっての!!だれがこんなペチャパイ女と寝るか!!」

「あぁ…?何、聞えなかった。もう一回言ってみて?」

「おやすみ!!」


チッ…逃げたな。
タオルケットに包まって蓑虫みたいになったギルは体を丸めて眠りについたようだ。
なんだあの生き物、可愛いじゃないか…。

あ…そういえば昨日ロヴィーノ君とフェリ君にお土産貰ったの忘れてた…!!リビングに置きっぱなしだったよね…。
早く開けないと食べ物だったら大変だよね…。

薄暗いリビングを手探りで探しあて、綺麗な包装紙につつまれたイタリア土産を取り出す。
やわらかいなぁ…。ぬいぐるみ、じゃないよね…
なるべく音を立てないように包装紙を綺麗にめくると、そこにはキラキラ光るとっても高そうな………ランジェリー…

こ、これはロヴィーノ君からかなぁ…ふふふふふ…。
しかも何、サイズ合ってるんだけど…!!
なんであの子私の下着のサイズ知ってんだ…!!
フェリシアーノ君のプレゼントはーっと…。
良かった、普通に可愛いワンピースだ!!
これってどこかのブランド物じゃないのかなぁ…
すっごく高そうなのですが…。しかも露出高いし…。
もしやこれは、このランジェリーをつけてこっちのワンピースを着ろというあの兄弟からの遠まわしな願いなのだろうか…。
いや、ワンピースはともかくこの下着は無いよ!!
だってギリギリだよこれ!!もう色々隠しきれてないからね!!
イタリアの女性はこんなものを好むのか…。そして何故ロヴィーノ君はこれを私にプレゼントしたのか…
多分深い意味は無いんだろうなぁ、ロヴィーノ君だし…
もう良いや、その辺に置いて今日はもう寝ちゃおう。
明日は早起きしてお弁当作らないといけないしね。

ワンピースを上に置きランジェリーが隠れるように机の上に置く。
まぁ、一応ね…

今度あの兄弟にあった時は色々と言ってやらないとなぁ…
まず最初に、なんで私の下着のサイズを知ってるのか聞き出さないと。


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