「うーんサッパリした〜。名前ちゃん、お兄さん綺麗な体になって戻ってきたよー」

「その言い方やめてください。ってゆーかなんで服を着ないんですか!!せめて下は履いてください!!」

「履いてるじゃん。昼間だからちゃんとパンツは履いてるのに…」

「夜だったら全裸なんですか貴方は…。いいからさっさと服着てくださいね。私クッキー作り始めちゃいますから」

「ウィー」


その後、フランシスさんに手伝ってもらって作ったクッキーを皆でDVDを見ながら食べた。
それにしてもフランシスさん、本当に上手だよねぇ…
手つきがプロ並みだったよ…。
聞けば「昔アーサーに作ってやったり、世話やいてた子が居て作ってやってたから」だそうだ。
素直に「すっごく美味しいです」と言うと、「メルシー」と綺麗な笑みと手の甲にキスを返された。
うっ…恥ずかしい事するなぁこの人…。
いつもは変態だからあまり感じないんだけど、すっごく顔がいいもんだからやたら恥ずかしい。


「そろそろアーサーも帰ってくるかなぁ」

「もう夕方でずが…。それでは私はこの辺で」

「わざわざありがとうございました。後日お返しに伺いますね、DVD」

「ありがとうございます」

「また一緒に遊ぶですよー!!今度は必殺技を色々教えてください!」

「勿論ですよ!それではまた」


随分ピーター君も本田さんに懐いてたなぁ。
元々お母さんみたいな気質だから自然と子供にも懐かれるんだろう。

さて、そろそろ夕食の準備でもしておこうかな。


「ピーター君、夕食は何がいい?」

「エビフライがいいですよー!!あ、でもシー君は名前の作ったものならなんでも食べちゃいますよっ!」

「んもー可愛いなぁ〜!!」

「くすぐったいですよー!」


ピーター君を抱きしめると子供特有の柔らかさを感じた。
暖かいなぁ…


「あかん、俺今だけ子供になりたいわー…」

「黒い組織から体が小さくなる薬もらってきてあげようか〜?」

「無理だろ馬鹿。ここは赤いキャンディー青いキャンディーの出番だろ」

「いや、それ古すぎて今の子ネタ分かんないって…」

「ええなぁー子供。考えてみ?子供になったら抱きしめてもらえたり一緒に寝れたりあわよくば一緒にお風呂なんかも…」

「はぁはぁ、いいね〜俺も名前ちゃんと一緒にお風呂に入って一緒に寝ちゃいたいなぁ〜」

「なっ、何妄想してんだよ!!あんな貧相なので想像しなくてもお前ら幾らでも女いるだろーが!!」

「何言ってるねんギル。俺名前ちゃんが初恋やし」

「お兄さんは可愛い子皆好きだし。いや、でも名前ちゃんが付き合ってくれるって言うなら他の子切っちゃえるんだよな〜マジで」

「帰れよお前ら。特にフランシス」


―ピンポーン


あ。アーサー帰ってきたかな〜


「はいはーい」

「今帰ったぞ!ぴ、ピーターは!?」

「ここですよー」

「おまっ、何も無かったか!?寂しくて泣いたり…」

「しねーですよ眉毛!!どんだけシー君を子供だと思ってるんですか!絶滅しやがれですよ!!」

「そやそや変態眉毛なんか絶滅せぇー!これ以上眉毛の遺伝子を残したら世界は終わりや!」

「帰れー帰れー!」

「むしろこのマンションから出て行けよ眉毛野郎!!」

「ちょっ、馬鹿!!そんな事言ったらアーサーが…」

「そ、そうだよな…俺なんて居ない方がいいんだよな…ハハ…」

「アーサァアアア!!目が死んでる!!ちょっ、なんで弱い物虐めするの!!」

「うざいから」

「変態だから」

「眉毛だから」

「ですよ!」

「う、うわぁあああ!!お前ら、うっ…ばかぁああ!!」


玄関先で膝を抱えて泣き声をあげるアーサー。
プライドの欠片もない…。
ってゆーかこんな所で泣かれたら困るんですけど…!!近所迷惑もいいところだよ!!


「ちょ、アーサー泣かないでいいから。あんなの無視しろ、無視」

「で、でもお前だって俺の事眉毛とかうざいとか変態とか思ってんだろ!」

「確かに眉毛でうざくて変態で酒癖悪くて面倒くさい奴だけど私にとっては大事なアーサーだよ?」

「さり気なく悪口増やしたなあいつ」

「名前…」

「だから泣かないでよ、ね?」

「ば、ばか!泣いてなんかねーよっ!グスッ」

「アーサーは昔から泣き虫ですよー。ほら、ハンカチ貸してやるですから涙を拭くですよ!」

「ピーター…!!」

「どっちが年上かわからんなぁ…」

「うるせー!!」


その後は結局6人という大人数で晩御飯のエビフライを食べる事になった。
相変わらずアーサーとトニーさんは仲悪いし、ギルはビールビールって煩いしフランシスさんはベタベタしてきて気持ち悪いし。
でもまぁ今日はピーター君も居るし心が潤うよね!
アーサーの買ってきてくれたケーキもあるし、とりあえずは良しとしておこうか!


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