「あ。本田さ〜ん!!」

「名前さんじゃないですか」


夕方。いつものように仕事帰りにスーパーで買い物をしていると本田さんに遭遇した


「お久しぶりですね、名前さん」

「本田さん最近引きこもりっぱなしでしたもんねぇ。あ、昨日は甘煮を持ってきてもらってすみませんでした」

「いえ、私も突然伺ってしまって…。そうそう、ギルベルトさんって面白い方ですね」

「そうですか?ただぐーたらしてる居候ですよ」

「そういえば彼は何処の国の方なのでしょうか?」

「あー、多分ドイツ人。ビールとジャガイモ大好きなんですよアイツ」

「ほう…。ところで名前さん。少し質問してもよろしいでしょうか」

「はい?」

「彼とはどこまでいったんでしょうか。アレですか寝る時は一緒のベッドなんですか!?毎日一緒に居るわけですしだんだん親密な仲になっておられるんでしょう!?さあ詳しくなりそめをお聞かせください!!!!」


何処からかメモとペンを取り出した本田さんはいつもよりテンションが高い。
この人普段はおしとやかなのにたまーに変になるよなぁ…


「あの、別にギルベルトとは何もありませんから。あいつソファで寝かせてますし」

「なっなんですとぉおおおお!!!??それじゃあ夜這いをしたりニャンニャンしたりする事はないと言うのですかァアアア!!??」

「ニャンニャンって、古いですよあんた歳いくつなんですか」

「禁則事項です」


口元に人差し指を当てて可愛く笑った本田さんを見て少し心配になったのは言うまでも無い


「では次の質問です!!」

「まだ続くの!?私買い物したいんですけど!?」

「あぁ、別に買い物をしてくださってもかまいませんよ。気にしないで質問をぶつけますから」


これはこれで嫌だ


「ギルベルトさんが家に来て周りの反応はどうだったんですか?」

「周り…と言っても隣人ぐらいしかあいつの存在を知らないと思いますよ」

「隣人…と、いいますと?」

「あのマンションに入った時から仲がいい奴なんですけど…そうだなー…。とにかくツンデレのツンの部分しか見たことが無いような奴で、眉毛が太いです。とにかく特徴は眉毛です。眉毛を見れば彼だと一目で分かります」

「どんな眉毛ですかそれ。彼、ということは男性ですよね?」

「はい。ギルベルトを拾ったって知るとそんな奴追い出せって煩かったですよ」

「ほうほう成る程…ツンデレの隣人、いいですね。これは使えます」

「何に使うんですか。眉毛の栽培ですか?」

「そんな趣味はありませんよ。どうせなら美少女の栽培をしたいです」

「あんたの趣味がだんだん分かってきた気がします」

「それは光栄です」


しっかりメモを取りながら本田さんは上品に笑った

本当にわけの分からん人だなぁ…本田さんって






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