2.自由時間24時間


「アーサーさんアーサーさん、昨夜アーサーさんの家の前でアーサーさんのご帰宅を待っていたんですね。あ、これストーカーとかそんなんじゃないですよ?純粋な待ち伏せですから。そしたら変なオッサン2が近づいてきて”こんなとこに居ないで一緒に飲みに行こうよ〜”なんて言いやがるからその辺に落ちてた石投げつけてやったんですね。それから手当たりしだいの物を投げ合って喧嘩してたらいつの間にか意気投合しちゃってたんですよ〜。それから一緒に飲みに行って朝まで飲んでたんですよ!?人と人との出会いって素晴らしいものですねぇアーサーさん!!」

「で、そのままオッサン連れてここまで来たってわけか…」

「アーサァ〜もうお兄さんダメ、この娘っ子に散々飲まされて頭フラフラだよ〜!!フランスだけにフラフラ!」

「ぶふっ!!ちょっ、フランシスさん親父!!親父ギャグウケる!!」

「お兄さんのは親父ギャグじゃなくてハイセンスなギャグだから。トリコロールに俺は虜、みたいな?」

「ぶっふぅう!!待って、それいい!!良いよフランシスさぁあん!!!」


なんだって俺の家にはこんなアホな奴らが集まるんだ…!!
珍しく家に帰っても名の奴が居ないかと思ったら玄関の周りにゴミが散乱してるし妖精達は怯えてるし!!
持ち帰った仕事も明け方にやっと終わって今から寝ようと思った時にこの二人だ。
フランシスは全裸だし。
名もホットパンツにブラ姿でフランシスのパンツ頭から被ってるし。
もう嫌だこいつら、こんな汚物が俺の家に居るなんて夢だ夢


「あーなんか酔いが冷めてきた。ところでアーサーさん、この変なオッサン2とはお知り合いなんですか?」

「お前はまず服を着ろぉお!!それからそんな汚いパンツ頭から被って俺に近づくんじゃねぇ!!シャワー貸してやるから綺麗さっぱり洗い流して来いよ!!」

「アイアイサー!!じゃあこのパンツはフランシスさんにお返ししますね」

「あーあー名ちゃんのエロスな格好も見納めかぁ」

「どの辺にエロさを感じるのか理解できねーよ!!ただの露出魔だろ!?」

「ただの露出魔じゃあありません!!アーサーさんだけの露出魔ですから!!」

「だったら俺の前だけにしろよ馬鹿ぁ!!」

「え、いいんですか?じゃあお言葉に甘えて…」

「いいからさっさとバスルーム行ってこい!!」


アホ女をバスルームに押し込み適当な着替えを用意して放り込んだ。
ったく、いつまであんなニートの世話焼かなきゃいけないんだよ俺は…!!
徹夜明けで疲れてるっつーのに…


「はぁー…」

「お疲れだね〜」

「ったくお前は何しに来たんだよ。もう帰れ。俺は寝るからな」


ソファーに思い体を沈ませて目を閉じる。
もうこの際ベッドじゃなくても良い、少しでも睡眠とっとかないと体が持たねーよ…


「そうかそうか。じゃあ俺は名ちゃんと一緒にお風呂に…って痛い痛い!!何すんだよアーサーァアア!!」

「黙って座ってろ。一歩でも動いたら殺すぞ」

「分かったから髪引っ張るなって!!ったく、お兄さんが禿げたらどうしてくれんだよ」

「黙れオッサン。今度あいつに変な事したらマジでぶっ殺すからな」

「何、お前の所有物?人のものに手ぇ出す趣味はないけどさ〜。いや、待てよ?略奪愛ってのも燃えるよなぁ」

「死ねワイン野郎」

「ひどっ!!」


ふんと鼻を鳴らしフランシスに背をむけるようにして横になる。
これでやっと眠れるな…


「癪だけどお前のセンス無い服借りるぞ〜」


うるせぇフランシス。勝手に持って行っていいからもうそのまま帰れ。服も返さなくていいから


「アーサーさーん!!このシャンプーとリンス使っていいんですかー!?なんかすっげぇ高そうな奴使って良いんですか〜!?」


うるせーな、勝手に使えよ。
それは我が国が誇る最高級の物であそこの人間が行為で送ってくれる…って、ダメだダメだ!!
ちっとも眠れないじゃねーか



「ふんふんふ〜ん。お、名お風呂上り?女の子のお風呂上りって色っぽくて良いよなぁ〜ハァハァ」

「お黙り!!私を褒めていいのはアーサーさんだけよ!!」

「そんな事言わずに褒めさせてよ。よっ世界一!!世界一風呂上り美女!!」

「ふ、ふははは!!もっと褒め称えなさい!!」

「うおーノリいいねぇ。じゃあお兄さんも褒めて褒めて」

「髭!!変態!!オッサン!!ハゲ!!」

「ちょぉおおお!!それ褒めてないから!!貶してるからね!!」

「すみません私アーサーさんの事しか褒められないんです。あの太い眉毛と口が悪くてすぐ手が出るとことか大好きですよぉおおう!!」

「え、それって褒め言葉?あいつ元ヤンだからなぁ〜。昔はそこらじゅうで暴れまわってて、それはもう荒れるは荒れるはでお兄さんも大変だったよ」

「歴史って怖いですねー。いや、まぁ私はそんなアーサーさんをまるっと包み込む覚悟はできてますよ。眉毛が厚さ10センチになったってアーサーさんを愛し続けます」

「うわぁ、お前勇者。すっごい勇者じゃん!!お兄さん感動しちゃったよ〜。アーサーの事、これからも頼むな」

「よし頼まれた!!」

「よーしもう一回飲みなおすか!!アントーニョとギルちゃんも呼んじゃおうかなぁ〜」

「お酒どこにあるのかなぁ〜。冷蔵庫はさっき見たんですけど何も無かったですね。いったいアーサーさんどこに隠してるんだろう。ねぇアーサーさ〜んお酒どこっすかお酒!!酒好きのアーサーさんの家に酒がないって事は無いですよねー。アーサーさぁあ「うるせぇえええええええ!!!!!」


自由時間24時間


(ぎゃぁあああ!!ちょっ、アーサーさんがキレたぁあああ!!)
(おちつけアーサー!!分かった、外で飲んでくる!!二人で外行ってくるから!!)
(そいつは置いて行けぇえええ!!)
(私一人お説教ー!?嫌ぁああ!!親にもぶたれた事ないのに!!)



2009.8.1

- 2 -


[*前] | [次#]
ページ:




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -