「名前!!海に行こう、海!!」 「耳元で大声出さなくても聞こえてるから!!てかなんで海!?」 「なんでって、もうすぐ夏休みじゃないか!!夏といえば海!!海といえば海水浴に海の家のカキ氷に安っぽいヤキソバを食べるのが毎年の恒例行事じゃないか!!」 「だから耳元で怒鳴るなつってんの分かんないのぉおおお!?」 「煩いぞ、君」 「ねぇエリザ、これ殴っても良いのかな?良いよね?原型とどめられないぐらいフルボッコにしてやってもいいよね?」 「あら。名前は力が弱いから無理だと思うけど…。私が代わりましょうか?」 「え、嘘。嘘だよーエリザ姉さーん…だからそんな真面目な顔しないで怖いんですけど…」 「本当にエリザって腹の中真っ黒だよな!!HAHAHA!!」 「あら、貴方に言われる筋合いはなくってよ?」 「HAHAHAHA」 「ふふふふふ」 誰か助けてください。この際関西弁野郎でも不憫野郎でも変態髭野郎でも誰でも構いません。至急応援願います。 「エリザベータ、アルフレッド。この生徒会の書類もうできてるか?」 「あら、アーサー。えぇ、もうできてるわよ!今渡しましょうか?」 「悪い。お前はどうなんだ?」 「そんなものあったっけ?」 「お前一年の癖に少しぐらいは仕事を覚えようって気持ちはねーのかよ!?」 「うるさいなぁ君は。そのうち提出するからまっててくれよ」 「お前なぁ…」 あれ、誰だっけこの眉毛の太い人… あー…確か生徒会長だったような気が。 そういえばアルフレッドが一度だけ「日本に来る前からの知り合いだ」とか言ってたような…。 それにしても眉毛太いなぁ。眉毛会長… 「な、なにじろじろ見てんだよお前…」 「え、いや何も…」 「おおおお、お前確かアルフレッドの幼馴染…か何かだったよな?」 「え、あ、はい。そうっす」 「何言ってるんだいアーサー。君何時も名前の事やたらに聞いて来るんだからそれぐらい知ってるだろ?」 「ばばば、ばかぁ!!あれはそんなんじゃなくてだなぁ…!!」 「うざいよ君ー。俺の幼馴染に色目使わないでくれないかい?欲求不満なんだったらフランシスに適当な子紹介してもらいなよ」 「貴方達そんな事しているの?最低ね…」 「俺はしてないよ!!やってるのはアーサーさ!」 「てめっ何嘘ついてんだよバカァ!」 あれですか、俗に言うツンデレというやつですか。 「可愛い眉毛ですね」 「眉毛かよ!!」 「アホフレッドがお世話になってます」 「うんこ名前」 「デブメタボ禿げろ」 「小学生かお前ら」 ちくしょう、アルフレッドのせいで私の貴重な昼休みが削られてしまったじゃないか。 海でもなんでも行ってやるから早く帰ってください。ただでさえこんな一際目立つ三人の中で疎外感を感じてしまうって言うのに。 いや、それにしても凄い眉毛だ。 「じゃあ約束だぞ!!そうだ、水着は俺に選ばせてくれよ!」 「ダメよ!それは私の役目なんだからね」 「喧嘩するなよお前ら。それじゃあまたな、名前」 「なにさり気なく名前呼び捨てしてるんだい?なぁアーサー。ちょっと二人っきりで話しをしようか」 「へ…?」 「私もちょっと職員室まで行ってくるわね。顧問の先生に話があるから」 嵐のように去っていった3人。 はぁ…これでやっとゆっくりでk「名前ちゃぁああああん!!」」 できないのね。私に安息の時間なんて無いのね。 「ちょっ、なんやのさっきのアレ…!!あのバーガー野郎とあんなに仲良さそうに…!!」 「アントーニョ君…。えっと、アルは幼馴染でして…」 「幼馴染て…!!あかん!今すぐ幼馴染やめぇ!」 「やめてと言われてやめられるものじゃないのですが…」 「嫌や!!名前ちゃんが俺以外の男と仲ようしとるとこ見るの耐えられん!!」 痛いほど私の手をギュッと掴んで詰め寄ってくるアントーニョ君の後ろでギルベルト君が呆れたような視線をこちらに送っているのがわかった。 見てるなら助けてくれればいいものを… 所詮助けを望んでも誰も手助けなどしてはくれないさ。 だって私友達少ないもんねー あれ、なんか自分で言ってて悲しくなってきたぞ |