カムバック平穏な日々、カムバック私の日常。
現在私はどういう状況に居るかと言うと、一言で言えばとってもデンジャラスな状況下の中に居る。


「はっきりしてよ!!アントーニョ君と付き合ってるんでしょ!?」


WHY?なんでそういう事になってるんですか?
When Where Why How which
あ、最後のやつは違った。ともかく私は彼と付き合っているはずもなく、むしろ毎日のように付き纏う彼にいささか困り果てているぐらいだ。
幼馴染の某メタボヒーローと美しすぎる親友による嫉妬を買いこのような事態になった経験は過去2回。
ぶっちゃけそろそろうんざりしてきたわけである。


「付き合ってないですってば!」

「だって何時も一緒に居るじゃない!くるみはねぇ、ずっと前からアントーニョ君の事が好きだったんだからね!」

「そーよそーよ!」


ハンカチを目に当てている可愛らしい女の子を「くるみ、大丈夫?」と慰める女の子達。
えぇええー…ちょっ、私が悪役!?私が泣かしちゃったの!?な、なんかごめんね、くるみちゃんとやら…
泣かせてしまった罪悪感と、こんな事態になった元凶であるアントーニョ君への怒りがふつふつと湧き上がってる気がするけど、今はそんな事考えている場合じゃない。なんとか誤解を解かないと…


「えと…本当にそんなんじゃないです」

「じゃあ証拠を見せてよ」

「証拠?」

「アントーニョ君に言って!!あんたなんか好きじゃないって!!私達の目の前でよ!!」


え、それって私の評判がた落ちじゃないですか!!いや、まぁ最初からいいものではないと思ってるけど…
そんな事言ったら彼傷つくんじゃないだろうか…。誰かを失望させてしまうのは苦手だ。
何か別の方法を…


「えと、それ意外は「無いわよ」ですよねー…」


後方3メートルから私を睨みつける女子生徒数名を引き連れて、校舎が違い遠く離れた彼の教室まで背中に痛すぎる視線を感じながらとぼとぼ歩いて行った。
ああもう、なんでこんな事になっちゃったのかなー…
つい二週間前には何事も無く親友のエリザと一緒に甘くちょっぴり苦い青春真っ盛りの学園生活を送っていたというのに…いや、今のは言い過ぎた。


「あれ、どないしたん!?自分の方からこっち来てくれるなんか珍しいなぁ〜」


あれーなんか元気なさそうやけど大丈夫かー?親分がおまじないしたるわー!ふそそそー…って、何呆気にとられてるんだい私ぃいいい!!いや、本当にこの人天然というかなんというか…。いつもこの人のペースに巻き込まれてしまうのは私が流されやすいタイプだからなのか。

背中に刺さるような視線が注ぎ込まれ我に返る。
そうだ、この際きっぱり言った方が私の為にもなるんじゃないかな!!そうだよ、今まで通りの生活にもどれる!よっしゃーそうと決まったら簡単にすませてこんな面倒くさい事終わらせちゃおう!!


「あー。えっとね、私伝えたい事があるんだ」

「んーなになに?。自分の言ってくれる事なら俺なんでも聞くで〜!」

「私貴方の事好きじゃないんです!」


言ったぁああ!!よし、これでアントーニョ君も私を諦めてくれて、こんなデンジャラスな生活ともオサラバさキャッホーウ☆



「そうなん?でも俺は名前ちゃんの事めっちゃ好いとるでー」



さようなら私の平穏な日々、さようなら私の日常。






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