いきなりの出会いいきなりの告白いきなりのアントーニョ君は私の手元にあるシャープペン、否私の指先を見た。


「かわええ手しとるよなぁー。ちっちゃあて柔らかそうやわ」


ふわふわ笑って私を見上げるアントーニョ君の頭をギルベルトさんが教科書で殴った。
「何すんねんプー!」「プーって呼ぶなギルベルト様と呼びやがれ!!」「めっちゃどん引きやわぁそれ」と私の机の前で口喧嘩を始める二人に正直迷惑している。
いや、だって私今エリザの宿題写してるとこなんだよね。次の授業で当てられちゃうんだよね。
かなり焦ってるって気づいてアントーニョ君、だからそんなに見つめられると集中できないの…!!!


『なぁ、一目惚れって信じる?』


彼から私への第一声はかなりインパクトのあるものだった。今までの人生でインパクトのある台詞ランキングに順位をつけるとしたら迷うことなく第一位。おめでとうアントーニョ君!いや、だからって何もないけど。
ともかく私は焦っているのだ。だから、あれから毎日のように校舎が離れた私の教室まで遊びに来るアントーニョ君その他二名を構っている暇など私にはない。どうか貴方達に熱い視線を送るクラスの女の子達に構ってもらってください。ぶっちゃけ、視線で殺されそうなんです。


「なぁなぁ自分好きな食べ物って何?あと嫌いな食べ物は?」

「アイラブお茶漬けノーモアトマト」

「うそぉおお!!!ちょっ、トマト嫌いなん!?トマトってあの赤くてまーるいトマト!?リンゴと勘違いしてるんとちゃう!?」

「いや、いくら私が馬鹿でもリンゴとトマトの違いぐらい…って、もう邪魔しないで!!宿題写してんのが分かんないのかぁあああ!!!」

「え、宿題写してたん?早く言ってやー俺邪魔しまくってもたやん」

「気づいてなかったの!?今私の手元見てたじゃん!!」


ああもう何この人鈍いの!?
一目惚れした相手に間髪居れず告白をするあたり只者じゃないとは思ってたけど(その相手が私だと思うと本当に恥ずかしい)



「手綺麗やなーって目で追ってたんやけどなぁー。自分以外のもんは目に入らんかったみたいやわ」



あぁもう。誰かこの天然さんをどうにかしてください。






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