ﾋﾛ円 | ナノ

「ねぇ、円堂くん。今月何があるか知ってる？」
「節分だろ？」
「うん、それもそうなんだけどもう一つ」
「もう一つ？…ああ！にゃんにゃんにゃんで猫の日！」
「にゃん…うん、そうだね。じゃなくて、他」
「他ぁ？えー…そっか！そうだ忘れてた」
「思い出した？そうそう、二月といえば」
「富士山の日だよな！」
「…え？」
「え？違うのか？じゃあ海苔の日？」
「1967年に全国海苔貝類漁業組合連合会が制定したんだっけ。……いやいや、そんなマイナーなのじゃなくて、王道の。皆が知ってるのだよ」
「皆？ああ、建国記念日かぁ。そういや今月だったな」
「そうだねー…じゃなくて！他！もっと他にあるよね！？」
「じゃあ、皇太子さまの誕生日？」
「そうそう、浩宮徳仁親王殿下の誕生日なんだ…って！違うよ円堂くん！あるだろう？二月になると商戦が始まり、日にちが近付くにつれ男達がそわそわし、当日やけに張り切ったり、自暴自棄になる男子が続出する日っ！！」
「………………そんな日あったか？」
「バレンタインだよ！」
「ええー？バレンタインって命日だろ？それに俺、仏教だし」
「うっ…そう、だけど！兎に角、日本だとバレンタインっていえばあるだろ？有名なさ！」
「感謝の日？」
「そう、チョコをわた………え？感謝の日？」
「違うのか？だって風丸や豪炎寺がそうだって…」
「風丸くんが………それで？」
「いつも世話になってるからってくれるけど」
「……………」
「違ったっけ？」