「嫌いだ…」
涼野の呟きに俺は心底驚いた。だって意外過ぎる。大袈裟かもしれないけど、やっぱり意外だ。だってエイリア学園の時からあのセリフだし、格好だし、あの髪の色であの性格だろ?…意外だよな、本当に。え?何が意外って?涼野が寒さを苦手とすることが。どう見ても冬大好き。寒さなんてへっちゃら!って感じなのに。けど、隣でまだ11月だってのにダウンのジャケットにマフラーと手袋。果ては耳当てまで。どんだけフル装備なんだとツッコミを入れたい姿の涼野に本当に冬が苦手なのだと実感した。それよりも。まだ11月。これで12月とか1月とか真冬になったらどうするんだろう。いや、寧ろ涼野の格好はどうなるんだろうか。見てみたいような。けれど色々幻滅しそうだから見たくないような。
「早く夏になればいいのに」
んん?涼野って冬より夏派?え?じゃあ南雲ってもしかして冬派だったりするのかな。だとしたら意外というか…そうきたか的な展開だと思う。炎のストライカーが冬派…。決まらなさすぎる。しかし南雲はあの時期に沖縄にいたのだから違う筈。けど何でだろう。今緑川の頑張って役作りしたんだって言葉が過ったんだけど。まさかな!
取り敢えず南雲への疑惑はさて置き。寒さで震える涼野を人間ホッカイロ(俺の体温って人より温かいんだって。)で温めるべく抱きつくことにした。





ぎゅっとね!





(もう寒くない。)
(身も心もぽかぽかだもの。)





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