「運命の赤い糸なんて見えなくて良かった」
不意にディランが呟いた。何のことかと振り返れば、ディランはだらしなくベッドに寝そべったまま天を見ていた。運命の赤い糸…そういえばそんなことをカズヤ達が話していたな。確か結ばれるべき人と赤い糸で繋がっているのだとか。運命、運命か。そんなものがあるとしたらロマンチックではある。しかしまあ、意外にもロマンチックとかヒローとかそういった類いが好きなディランらしからぬ発言に理由を聞いてみた。
「だって、もしも好きな人の赤い糸がミーに繋がってなかったら悲しいじゃない」
「まあ、そうだな」
「それにさ、好きになった人と繋がっていてもそれを運命だとか必然だとかで締め括られるのなんてナンセンスだよ!」
そういうものなのだろうか。特に興味もない俺としてはどのような意味であっても構わないのだが。兎に角、ロマンチックな話だというのに珍しく否定的なディランに首を傾げていると、次の言葉に俺の頭は真っ白になった。
「ミーがマークを好きなのは、運命でも必然でも赤い糸でもなくて、マークだから好きなのに!この気持ちが作り物だとかそういうのでまとめられたらたまらないよ」
なんだか言っていることが滅茶苦茶な気もしなくはないがディランからの溢れんばかりの愛の告白に暫くは頬の熱が治まらなかったのはいうまでもないだろう。ああ、反則だよディラン。






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