※何のパロかわかったら是非友人に!(笑) 西暦20XX年。人類は謎のウイルスに襲われた。そのウイルスは人間、つまりホモ・サピエンスにしか感染せず、感染すれば高確率で死に至る。幾人…幾億と人類が死滅していく中、人間は解決策として急遽特効薬を開発した。その特効薬──ワクチンにより、死を免れる代償に[人類]は絶滅したのである。 そう、今や[人類]は存在しない。ワクチンにより[獣化]することで[人類]は死を免れた。ただ、結果的に[人類]であるホモ・サピエンスがこの地球上から滅びてしまったのだ。 人類を襲ったウイルスから十数年。今や地球上では獣化と呼ばれる獣の耳や尻尾を生やした新種──[獣人]が普通に街中を歩き、[人類]と同じように過ごしている。 「っていうのが表向きの発表だ。実際には滅びてなんかない。ただ、お前みたいに極端に少ないってだけでな」 淡々と告げる緋色の毛並を持つ猫の獣人は信じられない内容を口にした。人類であると告げられたバンダナを身に付けた少年はは震える声で、けれども懸命に告げた。俺は獣人である、と。何せ少年には垂れた犬の耳と小さめながらも尻尾が生えている。どこからどう見ても獣人に見えよう。しかし少年が人類であることを否定すると、今度は白に近い毛並を持つ犬化の種である狐の獣人が腰にぶら下げた西洋の剣を抜いたかと思えば、一瞬にして少年との間合いを詰めたかと思えば剣を振るった。あまりに一瞬で、目に留めることも出来ず気付けば少年の獣人の証である耳と尻尾を斬り離されていたのだ。耳と尻尾が地面へ落ちる音に漸く少年が斬られたことを理解すると狐の獣人は無表情のまま、剣を鞘に収めながらこう告げた。 「痛くはないだろう。何せ本物の耳じゃないのだからな」 少年は真っ青な表情で上手く状況が飲み込めないなりにも一つだけ理解した。長年隠してきた秘密が知られてしまっという事実を。そして、あの穏やかな日々は失われるということを朱色の毛並を持つ犬の獣人により、知る。 「本日をもって君は…新日本政府制定特別血統種族保存規定『純血特区』に指定されたんだよ。…円堂守君」 堅苦しいく書かれた書状を手ににこやかに笑う犬の獣人の言葉に、少年──円堂の頭は真っ白になった。そんな円堂を知ってか知らずか、三人の獣人は各々何者かであるかを明かしたのである。 これが円堂と三人との出会いであり、円堂の日常の崩壊…つまりは非日常の開始の合図となった。この時はまだ、現代稀少種とされる[人類]がこの獣人社会においてどれ程の意味を、価値を持つのか。円堂は知らない。そして、彼ら三人がどのような思いで。或いは覚悟で[人類]である円堂の元へやって来たのかも、この時の円堂には知るよしも無かったのである。 [人類]である円堂と、[獣人]である三人の物語はこうして幕を開けた。 身を捧げるは公か私からか。はたまた欲からか。 (生涯を掛けてと貴方は言うけれど、それは誰に向けてへの言葉なの?) (その言葉に貴方はきっと答えれないのでしょうねと私は思う) |