04



最近子ネコを拾った。


名前はみぃ。


理由は単純、みぃみぃ鳴くから。




『いたいた!みぃちゃん!』



並盛神社のウラの、タオルを入れたダンボールの中でかっている。ひそかに。

並小近くで捨てられたこの子をぐうぜん見つけてしまって(大概ワザと通学路を狙ってる事に後々気付く)、家に持って帰るときっと綱吉がうるさい。こんなにカワイイ茶ネコちゃん(長いしっぽだけは真っ白)だって「目がこわいよおお!!」って泣きさけぶにちがいない。目が大きくて体がふわふわしててとてもカワイイのに。はあぁ。


みぃみぃ、と一生懸命にダンボールから出ようと後ろ足で立って、前足で縁をカリカリひっかく。

本当はだっこしてあげたいんだけどヘンな臭いするからイヤだ。おしっこでもふんでもちがう変な臭いがするから。


…病気、じゃないよね?


一瞬、嫌な考えがよぎったが頭を横に振って考えを消した。


ランドセルから給食で余った牛乳を取り出して、紙パックを全開にする。こぼれないように少し傾けてあげるとみぃが頭を突っ込んで飲み始めた。


『みぃ、おいしい?』



ぺちゃぺちゃ、元気に飲んでる音がして安心すると不意に後ろから声をかけられた。



「きょっくげーん!!」
『ぎゃッ?!!、てあああッ!!!』



牛乳うううっ!!
みぃにかかっちゃったよ笹川のばかああ!!!



笹川の大きな声に驚いて、ダンボールの中で少し傾けていた牛乳パックを倒してしまったのだ。

みぃはブルブルとついた牛乳を振り払うが上手くとれないし、優はとりあえずタオルを回収してみたけど、


う、みちのニオイがする…っ。


タオルは変な臭いと牛乳の匂いが混じって更に臭くなった。


ああ、このビショビショタオルどうしよう。捨てた方がいいのかな…? でも公園で洗えば使えるし…。



「すまんっ!!思った以上におどろ、ん?優、それはなんなのだ?」
『…子ネコ。みぃ、て言うんだ。学校の帰りに拾った』
「だっこしてもいいか?!」
『うん』



牛乳かぶったからさらにクサいけどね。


内心そう思いつつ、笹川がみぃを抱っこするところを見届けた。案の定笹川の眉間にシワがよる。



『なぜかクサいんだよね』
「…む、このニオイ知ってるぞ」
『え?!』



どどどこで変なニオイと牛乳のニオイが混じったニオイをかいだの!???

笹川、教えてくれたらうれしいけど話によっては私引くからね!!!



「前に京子が拾ってきた子ネコも確かにこんなニオイだった。牛乳のニオイはついてないがな!」
『な、何のニオイ、なの…?』



どきどき、どきどき。

ごくり、とツバをのみこむ。



「ノミだ! これは病院に連れて行った方がいい!」
『びょ、いん…?』





(ああ、イヤな予感、的中)




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