03



自転車かっとばして目的の場所へ。


珍しく家においでって言ってくれたんだ。ここで行かなきゃいつ行ける?! 見せたいモノとかなんだろう…。雲雀の家はおやしき(じだいげきみたいな!)でとても広いしかくれんぼしたらぜったい見つからないような気がする。(この前かくれんぼしようって言ったらバカじゃないの、っておこられた)



ようやく大きな門の前にたどり着いて自転車のブレーキをかける。いつ来てもすごい…。柱が木だよ木。

自転車を押しながら門をくぐり抜けて自転車置き場まで押して行った。



*



雲雀のへやに上がって、お母さんが人の家であんまり食べ物をもらっちゃダメよ、って言われてて(一応)えんりょしたけど雲雀のお母さんが持ってきてくれたお茶とお菓子をいただいた。(家で牛乳のんだのに自転車こいでたらノドかわいちゃったし…)



『で、見せたいモノって何?』
「コレさ」



テーブルの上に置かれたお菓子の入った器から取ったポッキーをぽきぽき食べながら雲雀が取り出してきたモノを見た。

細くも太くもない銀色の棒が2本。腕ぐらいの長さで、棒からでっぱりがあってそこを持つのかなって思った。…そもそも何に使うモノなんだろう?



『さわってみてもいい?』
「こわさないでね」
『なっ、こわさないし!』



そろりと手を伸ばして1本を手に取ってみた。

見た目より少し重たくて棒の部分部分に変なタテ線がいくつかある。…形を変えれるのかな?



『どうしたの?これ』
「物置小屋から見つけたんだ。…ああ、それはねこうして、」



タテ線に気になってたのがわかったのか雲雀がもう片方を手に取ると、先が長い方を畳(すごいよね、雲雀のへやって和室なんだよ!)に叩きつけた。



『おおッ!!』
「折りたためるんだ」



とくいげに見せてきた雲雀の持っていた棒が1/4の大きさになっていた。

やってみたいな、て思ったけどさすがに止めておいた。だって叩きつけたところが、…へこんでるんだもん…。



「父さんがごしんじゅつくらい覚えた方がいいって言っててね、こんど父さんに教えてもらうんだ」
『ごしんじゅつ…、変な人とかやっつけるの?』
「まあね(ちょっと違うけど)」



雲雀に棒を返すとさっき折りたたんだ棒を振り回して元に戻し、こう持つんだよって構えて見せてくれた。



…うん。

いつもより楽しそうだね雲雀。

きらっきら周りにお花?がとんでるよ。





(いがいな一面を見た気がした日だった)




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