崩壊の兆し



それはこれまでの色んなことを変えることとなった。



パンツ1枚で笹川さんに告白した日から私の幼馴染みはおかしくなった。そもそもなんでパンツ1枚だけ? 露出狂のレベルでしょ? どっか頭ぶっつけてネジの5本くらい外れたの? 告白って、そこまで好きだったのか。てっきり周りに合わそうとした行動かと思ってた。ガチなのか。イマイチ今回の行動は理解出来ない。

そして持田先輩と体育館で剣道勝負。笹川さんを賭けるとか賭けないとか。ここで漫画のパターンなら「そんな、私なんかの為に…!」とか女の子側としてはそんな感じだし、周りだって結構女の子の取り合いは見てて面白いと思うはず。でもなんでかな、持田先輩と幼馴染みで笹川さんを取り合うってそこまでテンションが上がらない。寧ろ下がる一方。笹川さんはまあいい、問題は男2人にある(案外問題なのは笹川さんが天然、だから…?)。正々堂々勝負するはずがない先輩は剣道部所属していることをいいことに、帰宅部な幼馴染みに剣道勝負を持ちかけたり、さらには幼馴染みだけウエイトという要らないオプション付きの防具を渡した。

結果は例のパンツ1枚姿で持田先輩のボサボサ頭をつるっぱげにした幼馴染み。






(何がどうなってるんだろう…)


部活の見学期間も終わり、本入部開始が始まってちょっと。消去法で選んだ結果が剣道部だった。


パシィィン、と軽くて鋭い音が静かな剣道場に響き渡り、審判の赤い旗を持つ手が素早く上がる。



「一本!!」



頭がぐわんぐわんしながらも面二本目を先輩に取られた為、竹刀構えて蹲踞(そんきょ)、竹刀を鞘に仕舞うふりをして立ち上がり、数歩下がってコートから出て礼。

私と入れ替わって次鋒(5人中2人目)の同級生がコートの中に入って行く姿を見ながら面を取り外し、コートの向こう側にいる先輩の元へと走って行く。



『持田先輩、宜しくお願いします(…汗で頭がテカってるうわああ…)』
「頭を見るなッ!」



もろ視線を頭に向けていた所為か怒られてしまった。…しかしここまで綺麗に抜くとは。要らないスキルを身につけたんだな…。


その後、集中力が欠けてるだの先輩と練習試合やっているのにいい度胸だの身長差で面が打たれやすいのに隙だらけだの、沢田いつか同じ目にしてやるだの…、説教とポイントを有り難く聞いた。途中愚痴が混じっていたような気もするけど今の先輩にツッコむ勇気はない。とばっちりを受けたくないもの。





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