今日もまた



遅くもなく早くもなく、朝のチャイムがなる10分前に自分の席へと辿り着く。

まだ新しい通学鞄を肩から外して席に座る。 門限まで後10分あるけどもう教室はがやがやと騒がしい。これで部活動が始まってくると大分静かな朝になるんだろうな、とかそんな事を考えながら筆記用具を取り出してぼーっと過ごしてると、辺りが更に騒がしくなった。



「いたたた、」
「よ! 朝からダメツナっぷり凄いな!」



黒板上の掛け時計の針を見るとチャイムまでほんの数十秒前だった。

(教室のスライドドアのレール部分に爪先が引っかかって転んだんだ…)

ドア付近で座り込んでいる男子に視線を動かして、朝からダメっぷりを発揮している幼馴染を観察。周りにいた男子は小学校からの付き合いの人たちで、転んだ幼馴染を面白おかしく笑っている。


チャイムが鳴ると同時に担任の先生が幼馴染みの背後に現れて、さっさと席に着きなさい、と注意されて小走りに自分の席へと向かう。

先生が来た時点で私はまたぼーっとしていた。
斜め前から椅子を引く音が聴こえながらぼんやり思う。





何で誰にもダメツナに裏があること、ばれないんだろう。




(そう思っているのは毎日だ)




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