02



『ただいまー』
「お帰りなさい、ツー君と一緒じゃなかったの?」



靴を脱ぎながら言うと、通路の奥のリビングからお母さんが返してくれた。


ツー君。

正しくは沢田 綱吉。


私の唯一の弟で、1つ下。小学校3年生。綱吉はお母さん似で髪色が茶色でけっこう髪にボリュームがある。了平とはまた別に、じゅうりょくに逆らって大きくツンツン立っている。

男の子なんだけど男の子らしくなくて、近所の家のチワワの前を通ると泣き出してダメだし、野菜嫌いもはげしい。

ただ、虫は大丈夫、らしい。


こないだキッチンに出た、茶色でサカサカうごいてすばしっこいアイツを、チワワを怖がる綱吉は泣きべそひとつかかずにいともカンタンにやっつけてしまった。(わわわたしはダメだアイツだけはムリ…ッ!!!)


絶対おかしい。チワワよりアイツが平気なんて綱吉の頭は絶対本当におかしい。おかしいよ…っ!



赤いランドセルを2階の自室に放り込んでリビングに向かう。

キッチンで手を洗ってから、冷蔵庫に入っている牛乳瓶を取り出してごっきゅごっきゅ飲み干した。
因みに、綱吉は牛乳もキライ。



『ぷはーっ』
「いい飲みっぷりね!優ちゃんは背がきっと沢山伸びるわ!…ツー君が心配ねぇ」



はあ、と牛乳キライな綱吉にため息をするお母さん。

こんど、綱吉にムリやり牛乳のまそうかな。



『あ、これからわたしあそびに行ってくるね!』
「気を付けていってらっしゃい」
『いってきまーす』



口元を拭いて急いで目的地に向かった。

今日はすごい見せたいモノがあるって言ってたっけ!




…あ、じゅぎょうさんかんの紙、わたしそこねた。





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