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生徒会室は天国だと思う。



『外暑そー…。野球部頑張ってるなあ』



放課後、生徒会室に入り浸っている私は勿論クーラーがんがんに、とまではいかないけど程々な温度でかけている。教室だと扇風機しかないからそれだけでも最高。

転入してから2ヵ月、一度たりとも他の生徒会役員が来ることはなかった。最初っからあてにはしてなかったけどそれはそれで困る。

思ったより仕事がないけど、不良が多過ぎてキリがない。地味にやっていくしかないんだろうな、とは思ってる。壁掃除したり、大きく穴の空いたフェンスを修理したり。窓ガラスは取り替えても壊されるのが目に見えてるので校内が落ち着いた頃に取り替える予定。


後は喧嘩をふっかけられるようになった。

不良の間で私は有名人らしい。ぼそぼそ喋っていたのを偶々聞いて知った。(恐ろしい!)

不良を正していくには手っ取り早くて助かるんだけど、何だか隣町の風紀委員長だ。

そう、この学校に通い始めて雲雀に再開した後、クラスメートに「隣町の並盛中の風紀委員長は強い奴に興味あるから気をつけてね」と忠告を受けて、「トンファーで不良倒してるらしいからさ」と噂?を聞いた。

瞬時に幼なじみで最近会った雲雀が浮かんで苦笑い。

私もトンファー使うし不良殴り飛ばしているから対して変わらないじゃんか、とか思ってたり。



『草壁さん借りれないかな、借りたいなー…』



リーゼントさんこと草壁さん。

雲雀とメルアド交換して名前を聞いた。そんでもって先輩かと思っていたら同い年だったからとても驚いた。だって、……ねえ?


見た目、……………老けてるんだもん。

ごめんなさい草壁さんっ!!!


はあぁ、と溜め息をついて止まっていた手を動かす。机の上に学年別に積もっている生徒1人1人のデータを整理していたのだ。

思っていたより普通な(平和的思考を持つ)学生が多く、不良はとことん悪事を働かせているし。引ったくりやら暴力事件とか。私としてはここからリーダー格っぽい奴を絞り込んでシメる計画。


近々また雲雀んとこ行こう。綱吉にはまだ会っちゃマズいらしいから。お母さんは…、ダメだ。うっかり私の事言いそうだし。

今度はチョコチップクッキーを買っていこ。


(ついでに草壁さん借りるとか…。ああ借りたいっ!)
(それにしても本当に外暑そう…、あ、野球部1人フラついてるよ!!)



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