23 雲雀なりに手加減してくれたんだろうけどこぶになるんだろうな、と思いながら殴られたところをさする。会ってから短時間でこんなに頭を殴られるとは。これから先保つかな。脳細胞死んじゃう。これ以上馬鹿になったら雲雀のせいだコノヤロー。 『あ、ここでお昼食べていくから』 「好きにすれば」 『好きにする』 丁度良く4限目の終わりを告げるチャイムが鳴り響き、バッグがお弁当の包みと水筒を取り出した。 その時給湯室のドアが開かれ、そこには購買で買ったらしいビニール袋を手にぶら下げているいつぞやのリーゼントさんが立っていた。 「あ」 『あ』 驚きの表情から警戒するような顔つきになって、でも困惑してる表情になった。コロコロ表情が変わって面白い。 良く見ればリーゼントさんの腕にも雲雀と同じ、風紀の腕章が付けられていた。風紀委員だったんだ。 「副委員長、僕の昼食」 「は、はい!」 リーゼントさんは変なものを見るように私を見ながら和室に上がって、持っていた袋を丁寧にテーブルの上に置いた。 『…お昼くらい自分で買いなよ』 「群れるのは嫌い」 『……』 群れる、てなんだ。 (人混みのこと?) 「あの、委員長、この前話した不法侵入者の事ですが…」 リーゼントさんの視線は一時雲雀に向けられいたが、再び私に戻った。不法侵入者って私?! あー確かに不法侵入、って違う。断じて不法侵入じゃない。 雲雀は私が一緒に食べようと待っていたのに、1人で購買のおにぎりの封を開けていく。仕方なく私もお弁当の包みに手をかけた。 「ああ、その件については気にしなくていい」 もしリーゼントさんが状況を話していれば、雲雀なら大体私だってわかる。まさかリーゼントさんと雲雀に繋がりがあったなんて知らなかった! なんという偶然。 (そうだ、危うく忘れるところだった!) 『ちゃんと茶菓子、持って来ましたよ』 ラップでごめんなさい、とひとこと言って取っておいたクッキーを渡した。 リーゼントさんは遠慮がちにお礼を言ってきて、質問してもいいか?と聞かれた私は卵焼きを口に運んで頷いた。 「委員長と知り合いなのか?」 『知り合いってもんじゃないですよ。幼なじみなんです。ねー?』 雲雀に会話を振っても黙々とおにぎりを食べているだけだった。(そうだよ、くらい言って欲しい。振った私が寂しいじゃんか!) 何味食べているのか気になる…。 まあ、無事にお菓子をリーゼントさんに渡せて良かった良かった。 (雲雀ー、また来るねー!) (僕と一戦やってくれるならいいよ) (え?今恐ろしい言葉が聞こえたんですけど) (冗談。そんな事やってたら仕事が終わらない) (雲雀の冗談は冗談に聞こえないよ!!) |