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色々と大分好き勝手にやってきて、自分1人で綺麗にした生徒会室が何気に気に入ってしまって引きこもり状態に近い事に気づいたこの頃。


そろそろ雲雀探しでもしようかと思う。
(もう6月終わる…っ!)

決して引きこもり状態のせいで友達いなくて詰まらないとか違うから。

……自分で言ったらさびしくなったよ。あは。


雲雀と連絡とったのはおそらく、あの手紙以来だから、1年は経つことになるのかな?



『…咬み殺しの、刑?』



まだホラーの似合う時季ではないのに悪寒を感じる。


***


生徒会室に鍵をかけて、途中で買った茶菓子(近所のケーキ屋のクッキーとパウンドケーキ)とお弁当を背中に(走れるようにリュックさ!)並中にやってきた私。


黒中の制服(寧ろ生徒会長スタイルだから腕章付けっぱなし)のまんま来たからかなり浮いてるけど、まあしょうがない。制服これしかないし腕章はアクセサリーの一部だ。



『まずはみぃのところかな』



しまっていた門によじ登って超えて、校舎裏に回る。ちょっとあのリーゼントさんがいることを期待したが、当然桜の木にはいなかった。

(妙に静かだから、授業中…?)

とりあえずポケットにあるビニール袋から煮干しを幾つか取り出して小山の上に置いてやる。緑の葉でいっぱいにした木の幹を撫でてその場を後にする。


***


『……見つからない』


1年生教室の後ろ側の小窓からひっそり雲雀の後ろ姿を捜したが、いない。これで全ての1年生教室をまわったし、1年会えなくても私が(色々と強烈あの)お幼なじみの後ろ姿を見間違えるハズがない。

違う学校に、行く事になったとか?

考えられるのはそれくらいだろう。


(……何、それ。)


いると思ってクッキー買ってきたし、音信不通だった事に怒られるかもしれない覚悟だってしてきた。

急に寂しく、なる。

思っていたより、空けていた1年は長いのかもしれない。


(学校、戻ろ。うん。)


そう思って振り返った時だった。


男子が1人立っていた事に気が付いていなかった。



『!!』



反射的にしゃがむと頭の上を何かがヒュンとかすった。……超危なっ!

相手は攻撃を休むことなく仕掛けてくる。それをかわそうと右横に逃げると相手の膝が鳩尾目掛けてとんできて、ヒット。



『、ッ!!』



ぐっ、と余りの痛さに体を曲げる。が、また何かが飛んでくるのが見えて私はアレを取り出した。

すると金属がぶつかり合う独特の音が廊下に鳴り響く。



「まさかとは思ったけどね」



ぶつかり合ってそこで初めてみる、少し上にある相手の顔。

黒く、ちょっとフワッとした髪に鋭くヒカル漆黒の瞳。1年しか離れていないのに前より更に綺麗になったんじゃないかと思う整った顔。

ぶつかり合っているのは私のトンファーと色違いの銀色のトンファー。



『忘れたとか、言わないよね?』
「忘れた」
『うそっ?!』
「嘘」



1年ぶりの再会は想像と違っていた(もっと平和的な再会だと思ってた)けど、私たちらしい再会だった。




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