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無事にみぃの桜の木を見れた翌日、黒曜中に編入の為に制服を着て訪れた。



『まぁ、何というか、凄…』



黒曜中の校舎のあちらこちらにスプレーで大きく書かれた……、牛?ドクロ?理解不能な絵やガラスが割れる音。

職員室に向かう為、校舎に入った途端、


煙草のにおい


私はみぃの事があってから煙草は大嫌いになった。私に近づく人には極力煙草を吸わないでもらったし、街中でも煙草を吸ってる人を見かけたら遠ざける。

煙草のにおいは、みぃを殺したアイツ等を思い出させるから。もう殴ろうとはしないけど、でも時々どうしようもなく殴りたくなる。


ただ、また動物を蹴ってるなら今度は死なない程度に手加減しないつもりだが。



漂う煙草のにおいを気にしないようにして、上履きを鞄から取り出して履き替えた。靴はとりあえず下駄箱の上、いや持っておこう。

階段を上り、2階に上がる。職員室は一番奥だ。


本来私は自宅から並盛中に入らなくてはいけない。けどお父さんに暫くマンションで住んでくれないか、と頭を下げられてこられたから断るにも断れずに、こうなった。

しかもマンションは黒曜中の区域。一時期追い出されたのかと思ってお父さんにあたったけど、「理由は教えられないが、せめて優とお母さんは守りたいんだ。勿論綱吉もな。だから父さんを信じてくれ、頼む」

つらそうな表情だった。

今では別にこの学校でもいいかなって思ってるし、不良が沢山いるらしいから腕試しにもってこいだ。


雲雀は並盛中だよね。並盛中にもあの時は(今の黒曜中程でもないけど)不良がいたから咬み殺しているのか気になる。

あのリーゼントさんに聞いてみるしかない。並盛中で知り合いはあの人だけだから。


たどり着いた職員室のドアにノックしてドアをスライドさせた。



『失礼します。編入しました、沢田優です』



こっちで落ち着いたら雲雀探ししようじゃん!!



(そういえば私、雲雀にイタリア行ってくるって話し、したかな…?………あれ?)

決して職員室に入って緊張しているワケでもないのに、


イヤな汗が背中に伝ってます。





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