01 わたしは並盛小学校4年、沢田 優。 並盛うまれの並盛そだち。 あ、さいきん"なみもり"を漢字で書けるようになりました。やったね。せっかくおぼえたから忘れないように、昨日からプリントのウラに並盛並盛並盛… 「何やってるの」 『練習。忘れやすいからわたし』 「それ、ほご者にわたす紙だよ」 『あっ』 しまった。 わたしがあわてて消しゴムで消していくのを呆れて見る、隣の席の雲雀 恭弥。雲雀は髪が黒くてサラサラ、男子にしてはちょっと長めで、前髪の真ん中あたりが少し長い。目も髪と同じように真っ黒で細目(つり目?)。 ふうぅ、と息を吹いて消しゴムのカスを飛ばして、最後に机の上にも散らばっていたカスを手ではらい落とす。 まだ"並盛"って5個しか書いてないから消すのはそう苦ではなかった。雲雀ありがとう…! 「優、さっきの漢字は何てよむのだ?」 『"なみもり"だよ。お父さんに教わったんだ』 ななめ後ろ(雲雀の後ろ)から声をかけてきたのは、笹川 了平。銀髪で短髪。スポーツせん手みたいに髪の毛が短くてツンツン小さく立ってる。 クチグセ、きょくげん。 いみがわからない。 『じゅぎょうさんかん、何のじゅぎょうするんだろうね?』 「さあ」 「きょくげんに体育がいいぞ!」 『えー。わたし図工がいいなー』 小学4年生。 まだこの時は周りと変わらない幼い子供だった。 (笹川、算数だって算数っ!) (さ、算数、だと…?!) (黙って聞けないの?君達は) |