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わたしは並盛小学校4年、沢田 優。

並盛うまれの並盛そだち。


あ、さいきん"なみもり"を漢字で書けるようになりました。やったね。せっかくおぼえたから忘れないように、昨日からプリントのウラに並盛並盛並盛…



「何やってるの」
『練習。忘れやすいからわたし』
「それ、ほご者にわたす紙だよ」


『あっ』



しまった。


わたしがあわてて消しゴムで消していくのを呆れて見る、隣の席の雲雀 恭弥。雲雀は髪が黒くてサラサラ、男子にしてはちょっと長めで、前髪の真ん中あたりが少し長い。目も髪と同じように真っ黒で細目(つり目?)。


ふうぅ、と息を吹いて消しゴムのカスを飛ばして、最後に机の上にも散らばっていたカスを手ではらい落とす。

まだ"並盛"って5個しか書いてないから消すのはそう苦ではなかった。雲雀ありがとう…!



「優、さっきの漢字は何てよむのだ?」
『"なみもり"だよ。お父さんに教わったんだ』


ななめ後ろ(雲雀の後ろ)から声をかけてきたのは、笹川 了平。銀髪で短髪。スポーツせん手みたいに髪の毛が短くてツンツン小さく立ってる。

クチグセ、きょくげん。

いみがわからない。



『じゅぎょうさんかん、何のじゅぎょうするんだろうね?』
「さあ」
「きょくげんに体育がいいぞ!」
『えー。わたし図工がいいなー』




小学4年生。


まだこの時は周りと変わらない幼い子供だった。



(笹川、算数だって算数っ!)
(さ、算数、だと…?!)
(黙って聞けないの?君達は)




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