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日本を離れて1年。

私はお父さんに連れられてイタリアに行って過ごしていた。勿論お母さんにはずっと言えなかった護身術の話を(雲雀の事は柔らかく一般的な男の子の設定で)した。

何故イタリアなのかもの凄い謎だったけど、何か隠している事と繋がっているのは何となくわかった。今でもお父さんから話してくれるまで私は聞かないつもり。

お父さんもそんな私に気づいてか、変な嘘をつくような事もしなかった。

でも流石お父さん。
私が強くなりたいと思ってた事も見抜いてた。もしかしたらお母さんも気づいているかもしれないけど、何も言わないのがお母さん。自由に自分のしたいようにしなさい、て事なんだと思う。



『うわあ…、予想以上…』



私は今、黒曜と並盛の間辺りのマンションの一室にいる。8階建ての7階の一番奥。日当たり良し、風通りも良しの2LDK。

お父さん良い物件ありがとう!

既にイタリアで買った家具が配置されていて、後は段ボールに入ってる物を片付けるだけ、なんてラクなお引っ越しだよね!

私はショルダーバッグに必要な物だけ入れて持って、搭乗するだけだった。


よし、とりあえずお父さんに無事に着いた連絡してから段ボール片付けていこ。

お母さんにはまだお父さんに護身術習ってるって事にして、落ち着いたら連絡入れればいいかな。

綱吉には良く説明しないで出て行ったからきっと怒ってるだろうなあ。



リビングの窓から並盛中があろう方角を見た。

建物は見えるけど、アレは見えなかった。丁度建物の陰になってるのかもしれない。

、の前に植えられていたとしてもまだ小さくてここからじゃ見えないし、今は5月。4月に来る予定だったのに何を間違えたのか、1ヶ月遅れてしまったおかげで今年は桜が見れなかった。



『途中で煮干し買って行こうかな』



みぃ、帰ってきたよ。


(桜見たかった…)



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