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罰は魔法使わないのが多いっていう噂はホントだったんだ…。



「全く誰の所為なんだか」

『さあ』



ざっく、ざっく。

シャベルで花壇の雑草を根っこから取り除く私。反対側の少し離れたところにジェームズが手でブチブチ抜いているのがわかる。

丸々2日間寝てサボった罰として管理人のフィルチさんから雑草抜きの命令が下った。

ジェームズはとてつもなく、面倒くさそうに引き受けたみたいだけど私はそれ程でもなかった。(確かに面倒くさいけど)

季節的には少し寒いけど体を動かしているから丁度良い感じ。…ちくしょう花壇広い。



「放課後にシリウスと練習する約束してたのに」

『そう』

「これで試合負けたら君の所為だからね」

『手が止まってる。抜いてよ』

「ああ君と会話してると苛々するんだけど」

『しょーがないね』



ざっく、ざっく。

ブチブチ、ブチっ。

沈黙になりシャベルで土を掘る音と雑草が引きちぎられる音だけが聞こえる。

まだまだ雑草あるよ。ここ辺りだけ雑草残ってるなんて絶対罰則の為に残してるんだ…! かと言ってトイレ掃除も嫌だけど。



「負けたら寮杯貰えなくなるけどいいの?」

『ポッターの事だから多分、その言い回しで罰則に巻き込んだ相手に押し付けて逃げると思うから断る。自分の範囲はちゃんとやってね』

「…! 君は失礼だ!!」

『ところでさ、試合とか負けるとか寮杯とか、何の話?』

「……、何 だ っ て?」

『だからね、試合とか負け、』

「君は何年なんだい?!!!」

『同い年』

「ウソだ!!!」



ちぎってた雑草を顔面に投げられて、土塗れになった。素敵な化粧だね、てジェームズが嘲笑うもんだから、カチンときて私も雑草の山に手を突っ込んで顔面に向けて投げた。



「ブッ!」

『さっきより格好良くなったわよ、馬鹿ジェームズ!!』



それから夕飯時になっても戻って来ない私達を心配して見に来たマクゴナガル先生に、雑草の投げ合いしているところを見つかって、罰則が増えたのは言うまでもない。






(遊ぶ為にやらせたわけじゃありませんッ!)
((お腹空いた))




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