08
「チビモンキー、そこは僕の席だ。勝手に座らないでくれない?」
朝、大広間のわざわざコイツの席に座っていると予想通り、シリウスを連れてやってきた。
『ああ、気づかなかった。アナタの席ここら辺だったっけ? 知ってたら近づかないわよ』
反射的に"どこでも座っていいだろ!"と反論したくなるがここは耐える。作戦の為、作戦の為だ!
向かい側のリーマスとピーターに挨拶してジェームズの席から少し離れたところに腰を下ろす。
いつもの私なら屋敷僕になんか作ってもらって部屋で食べるが、今日はちょっと違う。わざとジェームズより早めに席ついて、朝食もここで取る。
―見届ける為に。
私の徹夜して作り上げた無味無臭、紅茶に混ぜてもバレないように色は薄い紅茶色、特製睡眠薬。効き目は日没まで。
理由は悪戯されて授業に集中出来なかった分、ジェームズに仕返し。でもアイツは主席で頭が無駄に良いから1日サボったって大した事ないんだろうが、私が満足出来ればいい。
ジェームズに飲むよう誘導させるのはリーマス。ピーターは顔に出やすいから作戦も伝えてない。
あ、ジェームズがカップに口つけた!
「おい、ジェームズ?」
シリウスが隣でテーブルにぶっ潰してる相方の肩を揺らしているが起きる気配はない。爆睡だ。
主席が睡眠薬を見破れなかったとは。
クスクス、
笑いを少し漏らして自室に戻る事にした。
さあ、私のちょっとした反抗期の始まりだ!
(ふあ…眠い…)
prev next