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治癒魔法の本を読んでいると、視界の端にいるピーターの方にローブがかかったのが見えた。



「ピーター寝ちゃったよ」

『書いてても催眠術かかるのか…』



リーマスがピーターの手から羽ペンを外して羊皮紙も片付けてくれた。

可愛い寝息が聞こえる。



『2人共結構頑張って書いたね』

「梁元だって結構読んでるよ」

『そう?』

「上級魔法の本でしょ?それ」



手にしている治癒魔法に指を指した。

頷いて肯定する。



「何で上級の治癒魔法を勉強しているのか聞いても?」

『ルーピンが考えてるのもあるけど、本当の理由は違うよ』


リーマスとペティグリューが心配してくれているのは知ってる。仲間のジェームズが苛めの主犯だから、罪悪感を感じてかこうして会って会話をしてくれる。



『あの2人には内緒で私と会ってるんでしょ?』



肯定とでも言いたげな沈黙になる。



『ありがとう』

「莢佳は知ってたんだ」

『寝ているピーターもありがとう』



ピーターのサラサラな髪をすくようにして撫でても可愛い寝息が途切れる事はなかった。
心配してくれる部分と勉強を教えて欲しい部分で一緒に居てくれるピーターに口角が上がる。



『そろそろ反抗期に入ろうかなあ』

「ぷ、反抗期??」

『そ! 反抗期』



悪いが私はずっと受け身になるつもりはない。それなりに無視したり少しの反論をしたが向こうも引かないらしい。

とりあえず私は緩い反抗期に突入する予定。




(何気なく"ピーター"って呼んでた)
(シリウスはほっとくべきか否か…)


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