一般人→魔女
毛布をそこらへんに投げて勢い良くリビングを飛び出したかと思えば、暫くして玄関を開ける音がして慌しくバタバタと廊下を走ってこっちに向かってくる足音が近づいてきた。
前にもあったけど、静かに来れないわけ?
『はあっはあ…っ』
「何走って帰ってきてるの」
『ただいま!ほら杖、あった!』
耳あて、マフラーにコート、手袋までしっかりと身につけている。日本より彼女が住んでいる英国のほうが明らかに寒い地域な筈だけど。
それよりも、
「……外に?それが勝手に出掛けるわけないじゃないか。足が生えてるわけでもないのに」
『違うってばっ!!赤ん坊が持ってたの!』
「僕は渡した覚えないよ」
『でも良かった。無事に生還!』
「…炬燵に入って待ってて」
『どこ行くの?』
「持ってきてあげる」
『!、雲雀お手製の甘いココアね?!!うん待ってる!!』
毛布に手を伸ばしたのを見逃さない。
炬燵から毛布が離れているから、炬燵に入っていれば必然と毛布はかぶれない。
全く、上に何か羽織れ。
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