心配要らないね



やってきてしまった。
いつ、何時間目に、何の教科なのかを知らせてくれたプリントにため息ひとつ。

2学期期末テスト。
それぞれの範囲ももう1枚の紙で知る。…うわ、多っ。

そんな事を思いつつチラリと横を見れば目を見開いている智子ちゃん。思えば彼女は前回の中間は受けていないからこれが初めてのテストになる。日本語のテスト、大丈夫なのかな?



『…ちょ、沢田、範囲ってこれで全部?』

「そこにのってるの全部だよ。多いよね」



ふるふると紙を握りしめたプリントに視線を戻した智子ちゃん。頑張って。俺も頑張るけど色んな意味で頑張って。智子ちゃんならできるよきっと。

すると智子ちゃんが突然振り向いた。…心なしか目がキラキラしてるような、あれ? なんで?



『沢田っ!!テスト終わったらぱーーっとやろう!!ねっ?』

「え、え?」



ごめん、状況がついていかないんだけど。



『こんなちっさい範囲すぐ終わるし今からでも遊べるか……。 よし!今日は通販カタログ読み漁ろっ!!』

「……」

『あ、シリウス達に新商品送ってもらわなきゃな…、家帰ったらまず手紙を書いて……』

「……」

『あ、沢田達は楽しみに待っててね! 出張悪戯仕掛け人としてやらせてもらうからさ!』



何、出張悪戯仕掛け人って。

いやその前に"ちっさい範囲"って言ってなかった? 空耳? イギリス人って頭良いの?



(でも智子ちゃんハーフだ)
(1度でもいいから言ってみたいよ、範囲小さいって………)

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