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02
リズム良く、投げた手裏剣は綺麗に的の中心に音をたてて刺さった。

フェンスで区切られた練習場の隣ではくの一クラスも外で授業だったのか黄色い声があがる。おいこらあんたら授業はどうした。ちゃんと授業受けなさい! 私が言えることじゃないけど。


周りで練習していた男の子達からもスゲエ、と小さく呟くのが聞こえる。逆に勝負相手のサスケからは何も聞こえはしないが多分機嫌悪いんだろうな。絶対悪いに決まってるよ負けず嫌いな子だからね。だからといって手加減する程優しくはない。悔しさをバネに上手くなって欲しいし。

私の後ろで見ていたサスケに振り返って言った。



『サスケはひとつ中心に刺さっただけだよな?』

「…」

『じゃ、後で甘栗甘よろしく』

「…」



忘れるなよ、とサスケの肩を軽く叩くと払われた。

密かにサスケが放課後一人で練習しているのは私は知ってる。その努力のおかげかいい線はいってるけど、投げる時に少し力み過ぎていて上手く手裏剣が的の中央にいかないみたいだ。



「明(あきら)! お前今日も授業に出ていなかったろう!!」


『おはよー御座いますイルカ先生』



サスケとの手裏剣対決で目立った所為か、授業が始まってすぐに私が途中乱入したのをイルカ先生に見つかってしまったようだ。(だって最初は先生のところに集合して授業内容を聞いてから各自練習に入るし)

何もなかったかのように挨拶をしてから、大声で怒られる前に急いで耳を塞ぐ。



「一体何時だと思ってるんだ明ぁ!」

『えーと今は10時くらいですかね』



耳を塞ぎながら先生と会話。すいませんね失礼なのは重々承知しておりますが、今ここで手を離したら鼓膜がやられる気がするんだよね。完璧に塞ぎきれてないからそれでも鼓膜破れそうなのに。



「そうじゃないッ!登校時間とっくに過ぎてるんだぞ!!!」

『ちゃんと学校来てましたよ?敷地内にいまし、』

「教室にいなさいッ!!!」



ぐわっ、と一瞬先生の顔だけデカくなった気がした(こわあぁ…)。まあ先生の言いたい事はわかってるんだけど。登校時間中に着席して座学から受けろって事でしょ。


これでも見た目は12歳だけど中身(精神年齢)は16歳なもんで。



「今日の放課後職員室に来ること!」

『えーーっ!!』



今日の買出し当番私なんだよ!!安売りセールに間に合わない!!



 
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