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01
とある昼下がり、1人の可愛らしい男の子がアカデミーのそばの木の影から自分のクラスの授業の様子を見ていた。窓の中は座学の授業らしく、生徒が席について前を見ては下を見て懸命に手を動かしている者もいれば、授業そっちのけで寝ている輩もいたりする。


…、今日はこの後外で授業かなあ。


そういう少年も同じくサボっているうちの1人で、腰のポーチから刃先が三つにわかれた変わったクナイと一枚の布を取り出して、大事そうに磨き始める。時たま息を吹きかけて丁寧に拭きあげてからポーチに戻した。

暫くぼーっと外から微かに聞こえる先生の話しを聞いていたが、



『つまんない…』



暇だ。暇すぎる。今日のカカシの任務は里外で同行できないから、偶にはのんびり過ごすのもいいかなって思った私が馬鹿だった! なんでサスケは真面目に座学受けれんの?! 奈良家の子とか寝てるし秋道家なんてポテチ食べてるしナルトはナルトで教室にいないとか!! …サスケはやっぱり真面目なとこは変わらないんだなあ。


授業終了のチャイムが鳴り響くのと同時に強い風が吹いた。

少年は紅い長い髪をなびかせ、首にかけていたペンダントも風で揺れていた。



『おっと、』



誰にも見られたくないかのように慌ててペンダントを掴んで服の中に入れる。そして髪を簡単にひとつに結い、首にかけていたマフラーで口元を隠すように巻いてから教室を見た。男子達は各々外に出る準備をしていた。この後は外で授業らしい。



「おい」

『"おい"かよ』



今いる木の下の方から声が聞こえた。見なくともこの声はサスケ。

まだほとんどの子は教室で準備しているというのに全く早いな。準備万端なのは本当偉いよ。ただね、おいはないんじゃないかな。ちゃんと名前はあるし。


下にいたサスケのすぐ横に下りる。


私が外でサボっているのを何故か知っていて、隠れていてもすぐ見つかってこうして呼びに来る。サスケは他人に興味をあまり持たない事をここ数日でわかったが、実技に関して自分より上回っているとライバル意識を持ち、途端に興味を持ち始める。まあ男の子だし勝負事が好きなのは当たり前だとは思うけどもっと社交的でもいいと思うよお姉さんは。



「今日の手裏剣、勝負だ」

『勝ったら甘栗甘で何か奢れな』



1人、練習場に向かう私の後ろで不満のオーラを出しているが気にしない。ふふ、可愛いなあサスケは。イタチ兄の気持ち今ならわかります。今日もこれでおやつ代が浮く。実技授業万歳!




(今のサスケは一生勝てないよ)
(今のサスケは、ね)




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