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01
今日も木の葉の里は穏やかな雰囲気に包まれていた。雲がぽつりぽつりと浮いているのを見上げて、腕の中では幼い我が弟が夢でも見ているのだろうか、聞きとれないくらいに小さな声で寝言(みたいなもの)を言っている。修行するのも好きだが、最近は縁側で弟とゆったりとしている時間が好きだ。自然と頬が緩む。

優しく心音と同じくらいに体を叩いてあやしていると、玄関の方から女の人の声が聞こえた。その後にパタパタと玄関の方へ向かった足音が聞こえる。クシナさんと母さんだ。



「イタチー、ちょっといらっしゃーい!」



母さんの声に反応したのかうっすらと目を開けた我が弟、サスケ。

ああ、せっかく気持ち良く寝ていたのに起きちゃったじゃないですか。


何もなかったかのように目蓋を閉じたサスケを慎重に抱き上げながら母さんの元へと向かった。





母さんとクシナさんは仲良しで、時々クシナさんがうちはの家に遊びにやってくる。子供を身ごもっても尚遊びに来る為に、身をあんじて母さんは注意をするが今まで通り変わらずにクシナさんは来る。家ばかりじゃ退屈らしい。


だが今日はクシナさんに隠れるようにもう1人客人がいた。



「こんにちは、クシナさん」

「イタチ君と、えっと…」



必死に名前を思い出そうとしているクシナさんに、母さんが笑って名前を教えた。



「そう、サスケ君!こんにちは」



名前思い出せなくてごめんなさいね、と苦笑いでふにふにとした柔らかいサスケの頬を人差し指の背で撫でてくれた。

その際にクシナさんが少し俺の方に寄った分だけ後ろの子もついてきた。姿は隠れていて見えないがクシナさんの服を両手で掴んでいるようだ。



「そう!、ミコトとイタチ君とサスケ君に紹介するわね」


後ろにいる子に大丈夫よ、とクシナさんに背中を軽く押され、隠れていた体の半分が見えた(肝心の顔は1/3程度しか見えていない…)。女の子か男の子かわからないが、髪の色が赤茶だった。


途端にその子の赤茶の髪は激しく揺れて、これ以上見せたくないと言うかのように首を振ったようだ。



「あはは…。この子鳴莎(めいさ)っていうの。ミコトに前話した私達の新しい家族よ」



そしてクシナさんは鳴莎…に目線をやって俺ににっこり笑いかけた。



「…はい」



"この子を宜しくね"
ですか。

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