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03
空が多少オレンジ色の雲で覆われている頃。

ちょっとだけ機嫌が良くなったテンゾウさんにリュックを持ってもらっちゃったりしてもらいながら私達はやっと木の葉に着いた。

テンゾウさんは門をくぐった後リュックを返してもらって、3代目に報告する為にすぐ瞬身で消えた。

続けて私も瞬身でカカシさんの家に移動する。



『ただいまー』

「…おかえり」



聞こえてきたのは少し不機嫌そうな声だった。


玄関で靴を脱ぎ捨て、狐のお面をはずしながら髪にかけていた変化の術を解き(赤茶からプリン色)、返事がした居間へと向かう。するとカカシさんがソファーに座って(エロ爺が書いてる)大人な本を読んでいたところだった。



「帰ってきてすぐで悪いけど座って」

『…あ、…うん』



本はふざけているのに本人の声が真剣な感じ。ちょっと可笑しいが、笑う場面じゃないのはわかってる。そしてカカシさんがこれから言い出すこともわかってしまった。


(私としたことがすっかりキレイさっぱりに忘れてたよ!)


重たいリュックをローテーブルの脇に置き、向かい合うようにカカシさんとは反対側のソファーに腰を下ろした。嫌な空気だなぁと思いながらお面の紐を指に絡ませて相手の言葉を待つ。



「何か俺に言うことがあるんじゃない?」

『黙って任務行ってすいませんでした』



とりあえず置き手紙はしたんだけど口頭で言って欲しかったらしい。心配してくれたカカシさんは3代目に任務内容を聞いても暗部の任務の為何もわからず、私の置き手紙だけが唯一だった。


話しを聞くと申し訳なく思うが悪いけど私だって譲れないものがある。居候の身として生活費はちゃんと稼ぎたいのだ。この部分をしっかりわかってもらおうと話してみたら、3代目からお説教もらったから稼ぐのは許すけどアカデミーと両立させること、と条件が出された。まあ両立なんてやろうと思えばできるものだから了承する。カカシさんが言いたいのは出席率を上げろってことだよね。



『てことで飲みましょーよカカシさん!』

「まさかとは思うけど、向こうでお酒買ってきたの…?」

『美味しそうだったんで』



リュックから1本取り出して(実はもう1本あるがそれはまた後日にとっておく)、ローテーブルに乗せる。台所から氷を入れたコップを2つ持ってきてテーブルに並べた。その時に初めてテーブルの上に書類が置いてあったことに気づいて汚さないよう端に避けようと手を伸ばして目に入った文字が、


−第3班 メンバー−



『これって…』

「俺が担当"した"下忍チームだヨ」

『"した"っ?!!……あーあ』



てことはまた落としたんだ。…縁がなかったねこの下忍達。

それを言ったらサスケ達はどうなるんだとかは気にしない。あの子達はちゃんと合格したんだから。


私は書類を端に寄せて、お酒を注ぐ。カカシさんは本を棚に戻し、2人でコップを鳴らしてさあかんぱーい。


 
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