桜には不思議な力がある。そう、本に書かれたいのを見たのはいつでしょうか?
最初はそれを夢見ていたのですが、いつの間にか私の夢のために忘れていたんです。
それでも私は少し諦めきれなくて密かに栞を挟んでいました。
だから、これはやっぱり桜の奇跡何でしょうか?




(世界を越えた友達)



今日は快晴で春に相応しいポカポカ天気でした。
それなのでリボーンからファミリーみんなでお花見をしようと言うことになり、秘密の穴場に向かったんです。(なんでもリボーンと雲雀さんしか知らないそうです)
そうしたら、そこで奇跡が起こったんです!


「あれ?」

「どうしたんですか10代目?」

「いえ、あの…人がいるんです」

「なっ!?ここは雲雀とリボーンさんしか知らないんじゃっ!?」

「そのはずだぞ」

「ふざけた奴が迷い込んだんでしょ?」


そういう二人はなんだか怒っていて、いえ拗ねているんでしょうか?
速足でその人の場所まで向かって行ってしまいました。
私たちも慌てて追い掛けて行けば、雲雀さんもリボーンも驚いたように止まっていてなにごとなのかと思いました。
前を向けばその人も気がついたのか後ろにゆっくりと振り返り、えっ?
綺麗な黒髪を後ろでみつあみにしていて、女性なのに切れ長い瞳と黒い学ラン、そしてなによりも風紀委員の腕章と並盛中の制服、これではまるで雲雀さん?
そんなことあるわけないので横にいる雲雀さんを見れば雲雀さんも驚いていて、親族じゃないみたいです。


「君たちこんなとこでなにをしてるんだい?」

「あ?てめぇー10代目になんて口を聞いてやがる!?」

「10代目?君の10代目は綱吉でしょ?いつから10代目が代わったんだい」

「んだと!10代目はこの蒼空さんだけで綱吉なんて奴聞いたこともねーよ!!」

「? あぁ、そういうこと。君は綱吉を知ってるかい?」

「えっ、あのすいません。わからないです…」


そう言えば彼女はそうかい、と言って少し切なげに笑っていました。
ああ。もしかして言ってはいけないことを言ったのでは…!
不安げにちらちらと彼女を見ていれば彼女も気がついたのかコチラにニコリと微笑んでくれました。
ふわぁ!とても美人なお方です。
ビアンキお姉さんとは違うお姉さんです。


「私は弥緒。君は確か蒼空だったね?そこの銀髪が言ってたし…」

「はい!私、沢田 蒼空って言います!」

「そう。…!雲雀 恭弥…」

「ワォ!僕を知ってるのかい?」

「まぁね。それよりも蒼空はここに何をしにきたんだい?」

「あっ、花見をしにきたんです」

「へぇー」

「弥緒さんも一緒にどうですか?」


そう尋ねればなんだか困った顔をしていて…?
あれ?やっぱり不都合だったんでしょうか?
うーん。やっぱり弥緒さんにも予定ってものがありますし…。
無理に誘ってしまうのは申し訳ないですよね。


「誘ってもらうのは嬉しいけど、…もう時間みたいだね…」

「えっ?…!」

「なっ!?体が透け始めてるっ!?」

「…さよならみたいだ」

「あのっ!また、また次にあったらその、お弁当作りますね!!だから一緒にお花見しましょうね弥緒さん!」

「!! また次会うのを楽しみにしてるよ蒼空」


そう会話を交わして消えてしまった弥緒さん。
獄寺君たちは幽霊や十年バズーカの誤作動だと言っていますが、きっと弥緒さんは違う世界の人のような気がします。
雲雀さんに似た口調の彼女は雲雀さんに似て、でも雲雀さんではない弥緒さんの優しさを持った違う世界の人。
ねぇ弥緒さん。
もし次に会うことがあったら私、弥緒さんの名字が知りたいです。
きっと貴女は違う世界の『雲雀さん』のような気がするので…。





(また会いたいです弥緒さん)
(蒼空、か。また会いたいね)






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20100131
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