サラサラと靡く茶色の綺麗な髪。
太陽の光に当たると胡桃色へと変化する。
瞳も同じで宝石のように輝いている。
彼女は確かに他人からみたら平凡、そんな言葉が似合う人かもしれない。
確かにそんな彼女だが、彼女のよさを知っているそんな野郎は彼女に好意を寄せているのも事実。

気がつけば彼女を主としてではなく、女として追いかけていた。


「獄寺ー?」

「………」

「おーい獄寺!」

「んなっ!?な、なななっなんだよ野球馬鹿!」

「いや、なに見てたんだよ?すっげー真剣な顔して見てたぜ?」


彼女を遮るようにして現れた野球馬鹿に自然と怒りのボルテージが上がっていく。
せっかく10代目を見ていたのに野球馬鹿のせいで台なしだ!
くそっ!そういうとこがイライラするんだよ…!
そう思いながらも野球馬鹿に向けていた視線を急いで彼女に移す。
ここまでくると末期みてーだ。


「どうしたんだよ本当に?」

「てめぇには関係ねーーっ!」

「相変わらずだな獄寺!安心したぜ」

「っせー!!野球馬鹿!!」


ゆらゆらと心の中に炎がつく。
暖かくて、優しくて、時に火傷するくらいに痛い。
誰と話していても彼女が気になってしまう。
他人なんか目に映らない。
彼女だけ、10代目だけを見ていたい。


「獄寺ってやっぱり蒼空が好きだよなー」

「んなっ!なに言ってやがる!?」

「だってそうだろ?」

「っ!ふんっ」


野球馬鹿がなにかを言っているが無視して顔を背ける。
顔が熱くて、多分今は凄く顔が紅いと思う。
くそっ!本当に恥ずかしいぜ。
そう思いながらも彼女をちらりと見てまた視線をやってしまうのは一重に恋だからなんだと思う。
アネキじゃないが愛ってやつは偉大らしい。




(視線の先はいつも君)






お題『恋する動詞111題』
確かに恋だった様より
20100927
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