今日はなんだか浮足立ってしまう日。
理由は簡単。
十年間ずっと一緒にいれたお友達と、って私の大好きな人と親友二人とお茶会をするからかな?
手に持つ彼女の大好きなケーキ。
ああ、今から心が躍る。
貴女が蒼空が優しく笑って迎えてくれたら、私も…そして花もハルちゃんも嬉しい。


「蒼空さんに会うの三ヶ月振りです…!思い出したらハル緊張してきました!!」

「ちょっと大丈夫なの?」

「大丈夫です!ハルは蒼空さんに会うまで死にません!」

「いや、死んだら蒼空が泣くでしょ」

「! そうでした…!」

「まったく、? 京子どうしたの?」

「うんん。ただ蒼空が怪我とかしてないといいなって思って」

「あの猿たちがついてるから大丈夫よ」


そう笑う花は十年前よりもっと大人になっていて、でも優しさは何倍にもなっている。
私よりも多くの蒼空との時間を共有してきたからなんだと思う。
そんな花にたいしてハルちゃんは私と同じくらいの時間しか共有していないのに、蒼空に毎日、毎回アタックする凄い子。
十年前からずっとずっと蒼空を思っている人の一人。
そんな二人に負けないほどに私も蒼空のことを想ってるんだよ。

こうして他愛ない話しをしながら三人で歩いていけばお目当てのボンゴレのお屋敷に到着。
蒼空に会いたいなー、なんて思っていれば「京子ちゃん、花ちゃん、ハルちゃん!」という十年前から変わらない優しい声が聴こえた。
驚きながら前を向けば彼女は門の近くに立っていた。


「蒼空!もしかして待っててくれたの?」

「う、うん!みんなと早く会いたくて…!」

「ハルもです蒼空さん!」

「えへへ、私もだよ!」

「みんな…じゃあ仲入ってお茶にしよう」

「えぇ」


昔より少し長くなった髪を揺らしながらボンゴレのお屋敷に向かう蒼空。
ふわりふわりと漂ってくる優しい匂いは昔と変わらず太陽の香りがする。
温かくてふわふわするこの気持ち。
やっぱり私、蒼空が好きなんだ。
あの日伸ばされた温かい手は今でも変わってないな。
自分も辛くて大変なとき貴女は優しく手を私に差し出してくれた。
忘れれない優しさがここにある。


********


部屋に着けばオシャレな机がバルコニーに置かれていて蒼空が少し待っててと言った。
多分、紅茶取りに行ったんだよね。
私たちも席につけば、買ってきたケーキをお皿に置いていく。
苺のショートケーキにチョコケーキ、チーズケーキ、モンブラン。
どれも美味しそうできっと蒼空も喜んでくれるものだと思う。
だって蒼空はあんまり言わないけど甘いもの大好きだから。


「みんなお待たせ」

「じゃあお茶会しますか!」

「うんっ!蒼空は苺ショートだよね?」

「あ、うん」

「はい蒼空さん!」

「ありがとう」


はにかみながらケーキを受け取る蒼空は少しだけ幼く見える。
あっという間の十年だったけど今、こうしていれるのはやっぱり過程を経てるからなんだよね。
うん。そう思えば幸せ。
そんな思いを胸に秘めながらチョコケーキを食べれば甘い味が口いっぱいに広がる。
やっぱりおいしい!


「うーん!デリシャスです〜」

「本当だ!おいしい」

「たまにはこんな日もいいわね」

「うん!あ、そういえば蒼空に聞きたいことがあったんだ!」

「なに京子ちゃん?」


そう言って私たちはガールズトークを始める。
この暖かな木漏れ日のなかキラキラと輝くの。
毎日が昔はキラキラしていて今でも鮮明。
だけど昔に負けないくらい今も鮮明だよ。
そう、今食べてるケーキくらい甘くて幸せなの。

だから、大好きな貴女と食べるケーキ。
それは今も昔も変わらず幸せの味がする。
十年経った今でも貴女の側にいれて私は幸せです。
ありがとう蒼空。




(蒼空も好きな人できたんだ)
(う、うん)
(えーまだまだ蒼空と一緒に居たいのにー)
(私もです蒼空さん!!)







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20100709
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