私の回りはいつも暖かい人ばかりです。
そんな人たちと笑う日々、それが私の宝物になりつつあるんです。

きっと、十年後もその先もずっとずっと一緒に居たいって思うから、だよね?

コレってやっぱり我が儘なのかな?




(未来でも笑っててね)



始まりはランボの十年バズーカのせい。


「10代目!」
「蒼空!」


獄寺君と山本君の声を遠くで聞きながら閉じた目を開くとそこは全く違う世界でした。

最初は…そう、獄寺君とランボの些細な喧嘩が原因だったんです。
いつものようにランボが泣いちゃって私が獄寺君を宥めて、いつもならそこで終わったんですが、今日はランボが十年バズーカを取り出してしまったんです。
慌てて抑えに行こうとしたら間違ってランボが私の方に撃ってしまって、ああ、そうです。
私は今、十年後に来てるんです。

辺りを見渡せば見慣れないソファーや豪華な壁や食器。
きっと私は今ここに居たんですね。


「どうしましょう…?」

ガチャッ

「!」

「てめぇらは10代目のとこに来るな!!」

「いいだろ別に。蒼空は誰のでもねーんだから」

「君たち目障りだよ。とっとと消えてくれない?」

「クフフ。そういう君も邪魔ですよ」

「結局男子たちは邪魔だと私思うなー」

「ハルもそう思います!」

「てめぇらは10代目が居ねーと黒すぎるんだよ!!」


いきなり開いたドアに驚きながら後ろを振り返ればそこにいたのは個性豊かな男性と女性のひとたち。
一人一人を見渡していけば私がよく知っている人達に似ていて、もしかして彼らでしょうか?
でしたら銀髪の彼は獄寺君、短髪の黒髪の彼は山本君、少し前髪が短い彼は雲雀さん、それにこの藍色の髪が伸びた彼は骸さん、後この綺麗な二人の女性は京子ちゃんとハルちゃん?
なんだかそんなふうに直感が私に教えていて、でも違ったらなんて思っていたらえっと、獄寺君に似た男性と目が合いました。
そして彼はその瞳がこぼれんばかりに目を見開き、あわあわと慌てだしてしまいました。
えっ、えっーー!?


「な、なななな10代目ーーーーっ!?」

「えっと、あのその…獄寺君でしょう、か?」

「何故十年前のお姿にって!この獄寺 隼人をわかってくださるなんてやっぱり10代目は素晴らしい…ふげっ!」

「キャー!十年前の蒼空さんプリティです!キュートです!エンジェルですぅーっ!!!」

「本当だねハルちゃん!蒼空ちゃんかわいい!」

「きゃう!」

「てめぇらなにしてやがる!10代目に抱き着くな!それに人を殴んじゃねー!!!」


やっぱり銀髪のお兄さんは獄寺君であっていたんだと思っていたら未来の京子ちゃんとハルちゃんが抱き着いて来ました。
い、一体何事ですか!?
驚きに目を見開いていれば皆さん凝視してきて、本当にどうしましょう!


「どうかしたか蒼空?」

「君達が抱き着くから蒼空は嫌がっているんだよ」

「そんなことないです!蒼空さんはいつも笑ってくれます!!!」

「そうだよ。嫌がられるのは雲雀さんと骸さんでしょ」

「愚問ですね。雲雀 恭弥は嫌われていたとしても僕は嫌われていませんよ」

「そんな自信はどこからくるの?頭までパイナップルになったわけ?」

「なっ…!?」

「ははっ!言えてる」

「うるさいですよ山本 武!!!」

「ーーっ!てめぇらいい加減にしろーーっ!!!10代目にご迷惑だろうが!!」

「…ぷっ…」

「? 10代目?」


なにが面白いのかって聞かれたら私は面白いんじゃないですって答えます。
私が笑ってしまったのは皆さんが変わらずにいてくれたことなんです。
未来がどうなっているかなんて私には当然理解できません。
だから皆でまた変わらずに過ごせるのか不安だったんですが、そんな不安はいらなかったようです。
未来が変わってしまうかもしれない。
でも、やっぱり今の未来のままでありたいなと思うんです。


「皆さん、変わらないんですね」

「そうかな?少しは変わったと思うよ蒼空ちゃん」

「いえ、会話が十年前と変わっていないなって…思いまして」

「ああ、そういえばそうなのな!」

「こんな未来がいいなって私思ったんです」

「10代目なら直ぐにこの未来にできますよ!」

「そうだといいです。皆さん、ありがとうございます。それでは…さよなら」


そう私が言った瞬間に私の周りは煙りに包まれてしまった。
もう一度、目を開けるとそこは私の部屋で獄寺君と山本君が心配したように見てきました。
大丈夫、そう答えれば安心したように笑ってくれて…そして未来の私は今と変わってないと教えてくれました。
そうなんですね…私が変わらなかったの皆さんなおかげ。
そんなこと、恥ずかしくてなかなか口にはだせないんですが…。





(きっとそれが好きの証拠)






キリリク
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20100315
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