WB | ナノ

※犬耳バネさん注意!
※猫耳の話の続きになってます。先にそちらを読んだほうが話の内容が解るかと。







この前、俺に猫耳と尻尾が生えて蔵が散々弄りたおされ、「1ヶ月お触り禁止令」を出し、この1ヶ月間キスさえさせなかった。

あれから1ヶ月が経ち、お触り禁止令も解除。
蔵は念のためにと聞いてきたが、俺が「もう気にしてない」と言うと、飛びかかるように抱き付かれた。
その日の夜は1ヶ月分のキスなりその先の行為なりたっぷりされた。

――そして次の日、事件は起きた。

朝目を覚ますと、蔵はまだ隣で寝息をたてていたが、俺は体に違和感を感じた。
もしや、と思い頭の上に手を伸ばすと、ふさふさとした何かが手に触れる。
急いで洗面所へ向かい、鏡を見てみると、そこには猫耳…ではなく、犬耳が生えていた。

「な、何だよこれ…」

どんどん顔が青ざめていくのがわかる。
下半身にも違和感を感じ、恐る恐る確かめようとしてみる。
予想は的中し、手には尻尾らしきものの感触が。
猫の次は犬かよ…
すると、階段を降りてくる音が。
蔵が起きてきたようだが、このままではまずい。
また1ヶ月前と同じことになってしまう。
あんな思いは2度とごめんだ。
とりあえずすぐそこにあったバスタオルを頭に被せた。
下はズボンを穿いてるから大丈夫だろ。

「春風ー…どないしたん…?」

まだ寝ぼけているようだ。
きっと起きたら隣に俺がいなかったから気になった、って感じだろうか。
だが、事態が好転したわけではない。

「ん、風呂入ってた」

今、蔵は寝ぼけてるから気付かないと思ってた。

「…ほんまに?」

やばい、気付かれたか?
既に蔵はすっかり目が覚めていたようだ。
絶対俺の嘘を見透かしている。

「春風、俺に何か隠しとるやろ。」

「何のこ…あっ!」

そう言おうとした頃にはもう遅く、被っていたバスタオルを取られてしまった。
蔵は犬耳の生えた俺を見て、ぽかんとしていた。

「…あんまじろじろ見んなよ。」

「春風…今度は犬耳か…」

蔵は俺の犬耳に触りたそうにしている。
だが触ってこない。
またお触り禁止令が出るかもしれないから、触りたいという欲求を抑えているんだろう。
さすがに可哀相に思えてきたから、

「別にいいぜ、触っても。」

と言って、蔵との距離を少し詰めてみた。
すると蔵はそーっと俺の耳に触れる。
その感覚に背筋がぞくっとするなんて、やっぱり可笑しいよな。
すると突然蔵に抱き締められた。

「蔵…?」

「春風、すごいふわふわしとってめっちゃ気持ちいいねん。もうちょっとこのままじゃあかん?」

少し撫でたりしかせえへんから、と付け足して聞いてくる。
そんなこと聞かなくても蔵自身も解ってるはずだ。
俺は何も言わずに蔵の背中に手を回した。