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▼ 不器用の後ろに、隠し切れない優しさ

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ねぇ私知ってるの。
あなたは私が好きなんでしょう?

「あらありがとう」
「・・・あぁ」

「平気よこれくらい」
「・・・だめだ」

すごく無口で、恥ずかしがり屋。
3文字以上話したところなんてみたことがないわ。


ねぇ私知ってるの。
あなたは私が好きなんでしょう?

「すぐに治るわ」
「・・・あぁ」

ただのかすり傷なのに、抱きかかえるなんて随分大げさじゃないかしら。わたしは戦闘員なんだから、これくらいの怪我どうってことないのよ。

船医のところに向かうまで、大きな腕の中は全く揺れない。

ねぇ、あなたなら片手で問題ないでしょう?両手で包む必要なんてないのよ。
それに、ちょっとくらい揺れたって怪我には全然響かないわ。


まっすぐ船医に向かう足はゆっくりと早足。
大きな身体に包まれてふわふわ。
見上げると、おろおろ。
目が合うと、おどおど。
途端に赤くなっちゃって、あなたったらとっても可愛いの。


「ねぇ、隊長?」


熊みたいに大きな顔にそっと手を伸ばす。


「好きなら好きと早く言ってくださいな」






【不器用の後ろに、隠し切れない優しさ】
「それと、その頭のはボンボリなの?」




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