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「よし、開匣してみよう」
ツナがリングに炎を燈す。
それに反応して、匣が、動く。
「やっぱり、反応する……ん?」
匣は相変わらず動いている。
そして、微かに声が聞こえた気がしたのだ。
「もしかして、匣?」
「……早く開けて。この中は、狭いんだ」
「うわわ、ごめん!今、開けるよ!!」
今までためらっていた事も忘れたように、ツナはすぐに開匣した。
そして、中から出て来たのは、
「うわっ、仔ライオン?」
「今は仔ライオンだけど、これから成長するんだよ!」
「かっ……可愛い!!」
ツナは、恐れていた匣アニマルを、何のためらいもなく抱きしめた。