部活動


「ランニング行ってらっしゃ〜い」

「このっ原田!!俺らを殺す気か?!」

張り付けたような笑顔で手を振る巧と、泣きそうな顔で抗議する一年。
どうやら、練習メニュー追加に文句があるようだ。

「ボール拾いの後にランニングとか、倒れるじゃろ!!」

「……そうか?」

「お前は走れんのかコラァ!!」

「さぁ?」

「道連れじゃ!!」

「一緒に走るで!!」

巧の挑発にのった一年は、巧も巻き込んでランニングを始める。

「おいっ、ちょっと……」

「言い出しっぺじゃもんなぁ。走れるよな?」

「はいはい……キャプテン、行ってきます」

「おーう。なんだか、賑やかじゃな」

海音寺は、苦笑いしつつも、楽しそうだった。



三周目。
何人か脱落しそうな奴がいる中、巧は涼しい顔しながら走っている。

「なんじゃアイツ、バケモンか?!」

「ま、まぁ、最初の方のメニューやってないからな」

五周目。
今走っているのは数人だ。
勿論、巧も含まれている。
しかも、巧は先頭を走っている。

「原田〜もうえぇじゃろ。他の奴らが死にそうじゃ」

「あ、はい」

海音寺からのストップが掛かる。
なんとか走っていた数人が走るのを止める。
だが、巧は止まらず、五周を走り切った。

「ま、俺も走れるって事。分かった?」

「「すいませんっした」」

挑発にのった奴ら全員が謝った。


この日から、「ランニングをサボった奴は原田と五周してこい」と海音寺や監督が言うようになったとか。



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