歓迎会


「今日は、新入部員歓迎会じゃな!!」

「よっ、キャプテン」

この変なノリ、野球部のせっまい部室で行われている。
飲み物はスポーツドリンクと麦茶、お菓子は無し。

今日は監督が出張で部活が出来ないので、おサボりという訳だ。

「自己紹介とかさせるん?」

「えぇなぁ。じゃ、クラスと希望ポジションゆってけ」

「二組の沢口です。ポジションは……」

各々が自己紹介をしている。
そして、最後。

「四組の永倉です。キャッチャー志望です。これからよろしくお願いします」

「おぉ、えぇ身体しちょる」

「キャプテーン、今年もマネ無しっすか?」

「いや、今年は一人おるけん。じゃが、どっか行ってしもた……」

「永倉、原田は何処行ったんじゃ?」

「巧ですか?俺は知りません」

「来るように言ったんじゃが……」

その時、誰かが入って来た。
そこには、セーラー服を纏った巧が。

「あ、すみません。遅れました」

「キャプテン、こいつですか?」

「なんや、細いなぁ」

「大丈夫なんか?」

「ご心配なく。やると決めたからには、最後までやります」

先輩からの嫌味にも、サラっと言い返す。

「なんか、かっこえぇなぁ」

しみじみと野々村が言う。

「そじゃ、原田、なんで遅れたん?」

「あぁ、差し入れ作ってたんです」

「「「差し入れ?」」」

全員が聞き返す。
確かに、先程から良い匂いがするような……

「家庭科室で作ったんです。よかったら食べてください」

そう言って巧が出したのは、

「クッキーじゃ!!」

「美味そうじゃの」

「悪いな、原田……」

「いえ、好きでやってるので」

「いっただきまーす」

野球部員ががっつく。
そして、一言。

「「「うめぇ!!」」」

「ありがとうございます」

「へぇ、原田って器用なんじゃな」

「また、作って来ますよ。休日練習の時とか」



巧の一言で、休日練習をサボる奴が居なくなったとか…




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