「なぁ原田〜、マジで行くん?」

「つか、もう部室の前じゃし…」

「なぁ、これ開けて平気?」

「分からん、着替えとるかもしれん」

「なら平気だな」

「駄目じゃろ!!」

先程から、このやり取りがずっと続いている。
と、

「お前ら、何しとるん?」

「かっ、海音寺先輩!」
「キャプテン!!」
「副キャプテンも!!」

見兼ねた海音寺が話し掛けて来た。
すると、ここぞとばかりに巧が話し掛ける。

「野球部のキャプテンですか?」

「ん?そうじゃけど……」

「俺に、野球部のマネージャーをやらせて貰えませんか?」

「「えっ?」」

海音寺は勿論、普段は声を出さない展西まで驚き、声をあげる。

「駄目ですか?」

「いや、駄目じゃないが……お前、平気なんか?」

「何がです?」

「男ばっかのとこに女子一人じゃぞ?」

「俺は平気です」

「じゃあ、頼も」

「海音寺、女子マネなんか入れたら、だれる」

海音寺が了承しようとしたら、展西が割り込んで来た。

「まぁ、原田可愛いからの」

「俺、可愛く無いんで平気ですよ」

「そんなことないと思うが……」

海音寺の一言に、その場に居た全員が頷く。
が、巧は気付かない。

「副キャプテン、お願いします。やらせて下さい」

「……俺は、キャプテンの意思に従う」

「ありがとうございます」


こうして無事(?)、巧は野球部のマネージャーへとなった。



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