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元々デカくて目立つ豪の隣に居る巧は、直ぐに話題となった。
「おい、永倉と一緒に歩いとるの、可愛くね?」
「ほんま。俺、声掛けちゃおっかな〜」
男子には好評だ。
「あれ?永倉くんの隣におるの、誰じゃ?」
「ベッピンさんやねぇ」
女子も、憧れてるようだ。
がやがや……
「……煩い」
「まぁまぁ。巧、お前何組じゃった?」
「二組。お前は?」
「四組じゃから、ヒガシと一緒じゃ」
「オーイ、豪〜!と、誰?」
「豪、いつの間に彼女出来たん?」
いつものように、沢口と東谷が来る。
どうやら、完璧に巧だと分かってないようだ。
「か、かのっ、彼女?!」
「はじめましてぇ、原田巧ですぅ」
巧は、わざと語尾を伸ばしてからかう。
「あ、どもっ……て、原田ぁ?!」
「なっ、原田って、女だったんか?!」
「そもそも、一言も男だって言ってないし」
「じゃが、女であんだけの球投げられるとは思わんよ」
「じゃな。原田すげぇな」
「まあな」