話し合い


「起立、礼!!」

「さようなら!!」

小学生みたいだ、等と考えながら、鞄を取る。
今日はこの前の店で瑞垣と会う日だ。
勉強のためではなく、野球の話で。

さっさと行こう、と席を立った時、沢口と吉貞が巧の前に来た。

「原田、部活出ないんか?」

「……人と会う約束があるんだよ」

「そんな約束より、カッコイイ吉貞くんと部活に出ようぜ」

「ハッ、お前より何倍もカッコイイ人と会うんだよ」

「「ぇえっ!!」」

二人だけじゃない。
クラスがざわめいた。

「なんじゃ、原田さんデートなん?」

「いや……ただ、まぁ、話し合いするだけ」

「それをデートゆうんじゃ!!」

沢口が声を上げる。
吉貞もわーわー騒いでいる。

「ハァ……じゃ、お前ら一緒に来るか?」

「は?だって、デートじゃったら邪魔やろ……」

「別に。平気だよ」

「よし!可愛い原田のために吉貞くんは一緒に行く!!」

「はいはい」

今度こそ、ドアに向かう。
その背中に沢口が声を掛ける。

「原田!!ヒガシと豪も一緒でえぇか?」

巧がビクッと震える。
が、振り返ることなく、返事をした。

「永倉は、駄目だ」


沢口は、そうだよな、としょんぼりする。
が、吉貞は違った。

「沢口、永倉も呼べよ」

「なんでじゃ?原田は嫌がっとるで?」

「バーカ。永倉をキョヒるってことは、野球の話ってことじゃねぇの?」

沢口は、目を見開いて吉貞を見る。
そして、一言。

「お前、馬鹿なんだか頭いいんだか、分からん奴じゃな……」


その後、巧に聞いた場所へ、四人で押しかける事となるのだった……



- 28 -


[*前] | [次#]



[ top ]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -