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これからの事
「なんで俺が辞めるとマズイんですか」
「この前のは親睦試合じゃったろ?横手は、そういうの無しで試合したいんじゃと」
「……ウチの監督が、原田が投げるならいい、ってゆうたから、原田巧引っ張り出してこよう思うてな」
「で、俺が投げないから試合はできないと」
「なあ原田、ほんまに辞めるん?」
「多分……今は考えてる最中なんで」
「ほんまか!!」
瑞垣が一気に復活する。
海音寺も嬉しそうだ。
「友達に、一回普通の女の子になってみたら、って誘われたんです。だから、一旦離れて、やりたくなったら戻ります」
「ほな、やりとうなったら連絡ちょーだい。駆け付けるわ」
「えー、瑞垣さん来るんですか……」
巧が嫌そうに顔をしかめる。
それを見て海音寺が笑う。
「んまっ、男前の俊二くんが来るんやで?喜びなさい!あ、ケー番とメアド教えて。連絡出来んからな」
巧からケータイを奪い、自分のケータイに送る。
「はいはいどーも。つか、海音寺全然喋らんな。何考えてんの」
「いや……原田は大丈夫じゃが、キャッチャーの方が心配じゃ。間に合わなそうじゃけん……」
「いいか、海音寺。潰れんキャッチャー付けて、完璧な状態で試合するで。頼むわ」
「……了解」
「んで、原田はさっきからずーっと俊二くんのこと見てるのは何?」
「いえ……ただ、」
「「ただ?」」
「たしかに瑞垣さん、男前だなぁ。って」
爆弾投下。
一人の男子は、後輩に春が訪れたのかもしれない、と素直に喜び。
爆弾を直撃した男子は、目の前の男前な女の子からの言葉に何も返せずにただ唖然とし。
投下した本人は、暢気に残ったアイスティーを飲み下した。
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