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巧が鞄から取り出したのはユニフォームだった。
それを見て、海音寺は溜め息をついた。
「はぁぁ、やっぱしやらんか」
「はい。でも、マネージャーは続けようと思います」
「明日から出て来れるか?」
「……もう少し、休みます」
「そうじゃな。定期考査明けまでは休んでもええで」
「ありがとうございます」
二人が話を終え、瑞垣の方を見る。
すると、またもや固まっていた。
「瑞垣さん?」
「……もしかして、姫さん、野球辞めるん?」
「そのつもりですが」
「ちょっ、もう一度横手とやる気ない?」
「いいえ」
「嘘やん。あぁぁ……」
「あぁ、そうじゃった。原田、コイツ今日、新田東ともう一度試合組む為に来よったんじゃ」
再び頭を抱えて呻き出した瑞垣を見て、海音寺が声を上げる。
それを聞き、巧は疑問を投げ掛けた。