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その、体育館の隅に、豪、サワ、ヒガシがいた。
「なんじゃ、原田の奴……」
「アイツ、野球辞めるんじゃろか……」
「それは、巧が決める事じゃ。俺らは口だし出来ない」
「っ豪、お前、原田と話したんか?」
「何を?」
「何で、いきなりボールが暴れたんかって」
「……俺が聞いても、どうしようもないじゃろ」
「でも、」
「それに俺、野球辞めるんじゃ。バッテリーなんて、もういいじゃろ」
「豪……お前、最低じゃ」
サワが叫んで、校舎へと走っていく。
「サワっ!!……豪、俺もサワと同意見じゃ。俺、最低じゃぞ」
ヒガシも、校舎へ戻って行った。
豪だけが、体育館に残された。