♀巧で捏造(小学生の時)


小学校にて

「ねーねー、ユキちゃん好きな子いるー?」

「んー…秘密!!それよりカナちゃんは?」

「私も秘密ー!!」

男女に差がハッキリしてきて、女子の関心はもっぱら恋ばなである。
周りが盛り上がる中、巧だけは参加せず、手の中の野球ボールを弄ぶ。

「(このボールも、そろそろ卒業だな)」

「ねぇ、原田さん!」

「(変化球、投げてみたいな)」

「原田さん!!」

「ん?」

クラスの女子が呼んでいるのに、ようやく気が付いた。
いまだ、関心はボールにしかないが。

「原田さんもいる?好きな人」

「………」

「いるんだー!」

「意外だね!!」

「いや、いないけど」

答えなかった巧に、勝手に結論付けて盛り上がる周りに、巧の声は届かなかった。


「原田!!」

「何だよ」

放課後、野球の練習に行こうとした巧を、男子達が引き止める。

「その、あの、」

「だから何だよ、早く帰りたいんだけど」

「原田、好きな奴いるって話、本当か?」

「さっき、女子が言い触らしてたけど」

「………」

またか、と巧は呆れた。
だいたい、何で騒がしい同級生を好きになるのかが分からない。
そんな事を考えていると、周りにいた男子が騒がしくなっていた。

「やっぱ本当だったのか」

「原田、そういうの興味ないと思ってた」

「俺もー!!」

「でもさ。誰かには可能性がある、って事だよな!!」

「……帰っても平気そうだな」


結局、この日の勘違いのせいで、巧はしばらく告白ラッシュだったそうな……


―――――
捏造☆小学六年生
長編の番外扱いでお願いします。
これが理由で、巧は先輩達の方が好きです。
多分、同級生は、猿だと思ってます。笑



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