「わぁ、可愛い!歩いてる!!」

ペンギンの散歩に大興奮の女子達は、いつもに増して煩い。しかしそれが気にならない程、巧はペンギンに夢中だ。

「……かわいい」

ボソッと巧が呟いた瞬間、騒いでいた女子が一斉に静かになり、巧を見た。

「……何?」
「い、今、かわいいって言った?」
「言った、けど……」
「原田さんでもそういう風に思うんだね!!」

野球をしているからか、何となく男子と同じ括りにされている巧。
そんな巧がかわいいと言った事は、クラスメイトには衝撃だったようだ。

「そっかー、原田さんはツンデレだったのかー」
「あれだね、ギャップ萌え?」
「あー、分かる分かる!!」

謎な会話を繰り広げる女子達を無視して、青波のために巧はひたすらペンギンの写真を撮りつづけたのだった。



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