〈♀巧で捏造(小学生の時)2〉


小学校にて

「では皆。遠足の班を作って下さい」

「先生、男女混合ですかー?」

「そうですね。今回の遠足は交流が目的ですから、そうしましょう」


教師のその一声で、一段と騒がしくなる。
しかしその中で、巧だけは関心を向けず、手に乗っているボールを握っている。

すると、クラスの、自称マドンナが巧に声を掛けて来る。


「原田さん、班組まない?」

「は?」

「いつも一人でいるから、これを機に仲良くなりましょ?」


うざ。

巧の心にある言葉は、その一言だけだった。

話し掛けてくんな、ぶりっ子。

そう思いながら睨みつける。
だが、相手も引かない。


「原田さんって、木崎君とは仲良いよね!木崎君も誘わない?」

「俺、アンタと組むの決定なわけ?」

「え、嫌なの?」


コイツとは意志疎通が不可能だ。
そう結論を出し、巧は席を立つ。


「ちょっと、」

「誰でもいいから、班組まない?」


そう巧がクラスメイトに呼び掛ける。
すると、あちらこちらから声が上がる。


「原田さん、うちらの班、来る?」

「俺ら、原田ならいいぜ!」

「じゃ、そこの女子班と男子班一個にして、そこに入る」

「やった!」


その光景をぼんやりと、自称マドンナは見ていた。
巧はその子を見下ろし、低い声で呟く。


「俺をだしにするな」



―――――
巧最強伝説。笑
自称マドンナの名前が出て来なかったのは、巧が覚えてないからです。
決して、みたらしが力尽きたわけでは……ない、はず




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